研究課題
目的:大腸肝転移巣検体を用いて、1)原発巣と転移巣で癌幹細胞マーカー発現が同一であるか、2)転移巣での癌幹細胞マーカー発現は予後規定因子になり得るか検討を行った。対象と方法:1998年~2008年までに当科で切除術を施行した大腸癌肝転移症例103例を対象とし、CD44、CD133の発現を免疫染色を用いて検討した。また、浸潤能、増殖能、抗癌剤耐性能を評価するためMIB-1,E-cadherin,ABC-G2の発現も検討した。103例中44例は原発巣での評価も行った。結果:CD44の発現率は原発巣で41.4%、転移巣で58.7%であった。原発巣と転移巣で発現にmarginalな相関を認めた(r=0.250, p=0.071)。CD133の発現は原発巣で53.6%、転移巣で44.6%で相関を認めなかった(r=0.219, p=0.135)。肝転移巣におけるCD133の発現は独立予後規定因子であった(HR 0.320,p=0.0016)。肝転移巣CD133陰性群は有意にMIB-1indexが高く(p=0.003)、E-cadherinの発現が低かった(p=0.001)。以上の結果から肝転移巣のCD133陰性は予後不良因子であり、癌細胞の増殖、浸潤に関連している可能性が示唆されため、肝転移巣におけるCD133の役割を解明するため、CD133陽性群と陰性群に発現している蛋白をプロテオーム解析により網羅的に解析した。プロテオーム解析の結果、1160の蛋白質が同定され、これらの候補蛋白群をネットワーク解析し、有力なシグナル経路の同定に成功した(Hypoxia関連pathway)。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)
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