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2012 年度 実施状況報告書

肝癌脈管侵襲・進展に関与する分子の探索および制御法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24592015
研究種目

基盤研究(C)

研究機関兵庫医科大学

研究代表者

平野 公通  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90340968)

研究分担者 飯室 勇二  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30252018)
裴 正寛  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (30423883)
大橋 浩一郎  兵庫医科大学, 医学部, 病院助手 (50573987)
藤元 治朗  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
末岡 英明  兵庫医科大学, 医学部, 病院助手 (20419831)
中村 育夫  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (10625312)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードケモカイン / 肝がん
研究概要

原発性肝癌(肝細胞癌HCC,胆管細胞がんICC)において脈管侵襲(門脈vp、静脈vv)は重要な予後因子であり、門脈3次分枝、静脈抹消枝に侵襲を認めるvp1, vv1においてすでに予後は有意に不良であり、vp3-4, vv3に至ると切除制限、不能症例が増し、さらに予後不良なことに加えて高率な肝内外転移を認め、時に腫瘍栓による突然死を認める。ICCはHCCよりさらに予後不良な疾患であるが、vpはp=0.008, Hazard ratio 3.704とリンパ節転移(p=0.007, Hazard ratio 3.924)と並ぶ強力な独立予後因子である。原発性肝癌がどのようにしてagressiveな進展へと転じるのかいまだ十分な解明はなされていない。我々は肝癌の微小環境破綻による炎症性サイトカインのサブファミリーであるケモカインが関与しているのではないかと仮説を立てた。ケモカインは免疫系の調節や炎症の惹起のみならず、細胞の増殖、分化、機能発現など生体の恒常性維持に重要な役割を担っている。また上皮系細胞、線維芽細胞や血管内皮細胞などの間質系細胞だけでも分泌されていることが明らかにされており、急性期、慢性期の炎症性疾患における病態形成プロセスに関与するのみならず、腫瘍の増殖、浸潤、転移過程にも重要な働きを担っていることが報告されている。本年度は腫瘍栓を有する肝切除症例のサンプルを用いてN末端にELR-motifをもつELR-positive CXC chemokine (CXCL)のレセプターCXCR2の発現を癌部・腫瘍栓部・非癌部で検討した。免疫染色等を用いた形態学的検討の結果、脈管侵襲陽性症例と陰性症例では癌部におけるレセプター発現に差異は認
めなかったが、腫瘍栓部では著明に発現の増加が認められ、脈管侵襲におけるサイトカインの関与が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

原発性肝癌の進展におけるケモカインおよびそのレセプター関与に関する報告は希少である。今回同一腫瘍内のレセプター発現の差異を確認しえたことにより肝癌の脈管内進展、悪性化におけるケモカインの関与が示唆された。

今後の研究の推進方策

非癌部間質との関与を明らかとするため腫瘍栓部、腫瘍被膜破綻部における発現差異を形態学的に検討すると共に、frozen stockしているサンプルよりRNA、タンパク質を抽出し、分子レベルでの発現差異を明らかとする。ついで細胞浸潤機能増強を詳細に評価するためにヒト肝癌細胞株を用いてligandの添加・阻害およびreceptorの阻害を行い評価する。

次年度の研究費の使用計画

引き続き肝癌および非癌部におけるケモカイン/レセプターのタンパク発現・遺伝子発現解析、組織学的研究費として使用する。研究成果の発表および情報収集のため一部を旅費として使用する。

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公開日: 2014-07-24  

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