研究実績の概要 |
胆汁でのmiRNAの検出を行ったが、胆汁内RNAの抽出が極めて困難で、miRNAの定量を行う事ができなかった。そのためさらに胆嚢癌に関わる他のmiRNA発現に関する研究を行った。胆嚢癌ならびに胆嚢癌の危険因子である膵胆管合流異常合併胆嚢(正常)のmiRNA発現のマイクロアレイを行ったところ胆嚢癌で25種類、合流異常合併胆嚢で22種類のmiRNAの異常高発現を認めた。このうちmiRNA-202, 625, 483-5pが共通していた。実際に26例の胆嚢癌切除検体と17例の合流異常胆嚢(悲癌)の定量RT-PCRを行ったところ正常胆嚢と比較して高発現を示した。それぞれのmiRNA高発現と臨床病理学的因子の関係を調べたところ、miRNA-202高発現は低年齢、大きな腫瘍径と、miRNA-483-5p高発現は胆道拡張症やC-P型の合流異常と、miRNA-625高発現はC-P型合流異常と予後不良胆嚢癌との相関を認めた。特にmiRNA-625は独立した胆嚢癌の予後規定因子であった。以上の結果から、様々なmiRNAが合流異常から胆嚢癌の発癌、進展に関与していることが明らかとなった。
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