研究課題
臨床検体を用いた検討①原発巣と肝転移巣のサンプル採取。超音波内視鏡を用い切除不能膵癌患者より原発巣の組織採取を行ってprospectiveに症例の蓄積をおこなった。採取したサンプルは-80℃にて凍結保存を行い、順次RNAの抽出を行った。抽出に関しては、RNA抽出キット(miRVana®、Ambion)を用いてtotal RNAを抽出した。当初の症例では、サンプル調整の手技が安定せず、実験に使用しうるようなRNAを得ることができなかった。切除可能膵癌についても、全例術前の超音波内視鏡化針生検による診断を行ってから手術をおこなっている。この切除可能患者について、術前の超音波内視鏡で採取したサンプルと、手術時に切除標本から採取したサンプルの両方からRNA抽出を行った。手術標本からのサンプルでは安定したRNAが得られたが、術前の超音波内視鏡からのサンプルではやはり当初十分なRNAが得られなかった。しかしその後手技の見直しを行い、穿刺回数を複数回とし、採取サンプルを多くすることで最近の症例からRNA抽出が可能になってきており、解析に耐えうるようになった。これにはサンプル採取の技術の向上も有ったものと思われる。現在切除不能膵癌患者は年間約20名が新たに来院している。今後症例を蓄積して、RNAデータベースを構築し、肝転移に関わる因子の解明を行う。②リアルタイムPCRによるHOTAIRの発現の評価当科で培養ストックしてある膵癌細胞株からRNAを抽出した。8株からRNAを抽出し、RT-PCRをおこなった。HOTAIRのプライマーを作成しcDNAを作成し、現在解析を行っている。lncRNAとPcG複合体蛋白のプロファイリングの明かになった膵癌細胞株をヌードマウスあるいはSCIDマウスに移植して、lncRNAやPcG複合体蛋白の発現を変化させることによる病態の変化を検討する。
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