研究課題/領域番号 |
24592036
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
高橋 広城 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30381792)
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研究分担者 |
佐藤 幹則 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20305551)
松尾 洋一 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40381800)
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キーワード | 膵臓癌 / アポトーシス / Bcl-2ファミリー蛋白 / RNA干渉 |
研究概要 |
RNA干渉によるBcl-2ファミリー蛋白の抑制が膵臓癌に及ぼす影響についてBcl-2, Bcl-xL, Mcl-1およびこれらのコンビネーション(Bcl-2+Bcl-xL, Bcl-2+Mcl-1, Bcl-xL+Mcl-1)をRNA 干渉により抑制し、アポトーシスへの影響を検討した。その結果、Bcl-xLとMcl-1をknock downした際に非常に強いアポトーシス誘導効果が認められることが判明した。 ・またこの効果はチトクロームCの細胞質への流出、Bax活性化、カスパーゼカスケードによって仲介されていることが判明した。 ・ヌードマウス膵癌皮下移植モデルを作成し、Bcl-xL/Mcl-1 siRNAとアテロコラーゲンcomplexを腫瘍内に1回/ 週の間隔で局所注入し、その抗腫瘍効果を検討した。その結果大きな副作用は認めず、両群間に生育の差は認めなかった。適宜腫瘍のサイズを計測し、6週間後に腫瘍を摘出し腫瘍の重量を計測した結果、Bcl-xL/Mcl-1 siRNA群で優位に腫瘍の増殖抑制効果が認められた。 ・今後このin vivoの結果が得られた理由を分子生物学的に検討する予定である。またヌードマウスを用いた膵癌同所移植モデルを作成し、Bcl-xL/Mcl-1 siRNAの効果を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
RNA干渉によるBcl-2ファミリー蛋白の抑制が膵臓癌に及ぼす影響について、膵癌細胞株を用いて分子生物学的に詳細を証明することができた。さらに効果をヌードマウスを用いたin vivoの実験系で証明することができた。これまでに同様の報告をin vivoで証明した報告はなく重要な結果と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
ヌードマウス膵癌皮下移植モデルにおいて、Bcl-xL/Mcl-1 siRNA投与が腫瘍縮小効果に及ぼした影響を分子生物学的に検討する。 またヌードマウスを用いて膵癌同所移植モデルを作成し、Bcl-xL/Mcl-1 siRNAを静脈内投与し、皮下腫瘍モデルと同様の検討を行う。
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