研究課題
基盤研究(C)
研究代表者らは、急性胆管炎・胆嚢炎の国際版診療ガイドラインを作成し、世界で初めて急性胆管炎の診断基準、重症度判定基準を定めたが、急性胆管炎の診断基準における炎症の有無の判定、重症度判定基準については、高いレベルのエビデンスが乏しく、ガイドラインの改訂における重要な課題となっている。プロカルシトニン(以下、PCT)はカルシトニンの前駆蛋白として甲状腺のC細胞において生成されるが、近年、新しい信頼性の高い細菌感染症のバイオマーカーとして注目され、本邦では2006年2月に血清濃度測定が保険収載された。当該研究は、急性胆管炎の診断と重症度判定における血清プロカルシトニン(PCT)濃度測定の有用性を明らかにし、診断基準と重症度判定基準の項目として血清PCT濃度の追加を提案することを目的として着手した。平成24年度の研究計画は、主として症例の集積とデータベースの作成に主眼を置いた。対象は、総胆管結石、膵胆道悪性腫瘍、良性胆管狭窄により胆汁うっ帯を呈し、インフォームドコンセントが得られた患者とした。平成24年7月24日に本学倫理委員会での承認が得られたため、8月1日より研究参加者の登録を開始し、現在までに15例が登録された。これらの15例においては、計画された通りに血清PCT濃度と他の評価項目が測定され、データベースが作成されている。詳細なデータの解析は、さらなる症例の集積を待ってから行う予定としている。今後の課題として、症例集積が当初の予定よりも進んでいないので、他の診療科との連携を密にして、症例集積を積極的に進めたいと考えている。
4: 遅れている
当該研究の3年間の研究期間での予定症例数は200例であるが、平成24年3月31日現在の症例集積数は15例である。本学倫理委員会の承認を待って平成24年8月1日から研究参加者の登録を開始したため、期間は8ヶ月間と短かったものの、達成度としては遅れていると評価しざるを得ない。当該研究では、本学附属病院外科入院患者を対象としているが、当院救急部(ER)と消化器内科の充実に伴い、主な対象である総胆管結石症患者がERから消化器内科に入院となることが多くなったのが大きな要因である。また、膵胆道悪性腫瘍患者のうち、化学療法施行例は除外対象としているが、近年膵胆道悪性腫瘍患者に化学療法を行う機会が増加していることも大きな原因の一つと考えられる。
平成25年度も症例の集積とデータベースの作成に主眼を置く予定である。症例集積が遅れているため、他の診療科との連携を密にして、症例集積を積極的に進めたいと考えている。25年度後半には、評価項目データの解析に着手し、必要症例数の引き下げ、または研究期間の延長の必要性について検討を行いたい。
平成24年度は、症例の集積とデータベース作成に主眼を置いたことと、症例集積が進まなかったため、データ解析の段階には至らなかったので、当初予定していた統計解析ソフトの購入は見送った。症例数の多寡に関わらず、必要症例数の見直しと研究期間の延長の必要性について検討するため、25年度後半には評価項目データの解析に着手する予定なので、統計関連書籍と統計解析ソフトの購入が必要になる見込みである。また専門家の意見を仰ぐために、暫定的な研究成果を学会で発表したいので、出張旅費が必要になる予定である。
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