研究課題/領域番号 |
24592045
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渋谷 拓見 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10526453)
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研究分担者 |
芳賀 洋一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00282096)
松永 忠雄 東北大学, マイクロシステム融合研究開発センター, 助教 (00396540)
齋木 佳克 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50372298)
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キーワード | 心筋硬さセンサー / MEMS / 心筋保護 |
研究概要 |
本研究の目的は、小型かつ高感度な超音波センサーを実現し、虚血による心筋障害の程度を、心筋の硬さとの相関性を元に定量的に測定しうる計測システムの開発である。初年度は、小型センサーの設計・試作を中心に行った。測定原理としては、エラストグラフィを応用したものを採用し、心筋硬さセンサーの開発を行う予定であったが、心筋への固定法の問題や術中の再現性の問題などから、測定原理の一部を変更しデバイスの作成を行った。デバイスの基本構造は、アクリル性のハウジング(外径10mm、内径7mm)の内に、2mm×2mm大のPZT超音波素子を配置した構造となっている。測定原理は、心筋表面にセンサーを押し当てた状態で内部に一定陰圧を付加し、心筋表面に変位を生じさせ、その変位量をPZT製圧電素子から発せられた超音波の反射波受信時間から計算した。平成25年度は作成したデバイスを用いて、ファントム実験を主に行った。本実験では、心筋を模したヤング率の異なる2種類のシリコーンファントムを作成後、センサーの評価を行った。センサーの心筋表面への固定は、陰圧を付加し吸着することで固定した。一定の陰圧を付加したところ、本デバイスによって、硬さの異なる2種類のシリコーンファントムにおいて、それぞれの変異量の違いを明確に測定することが可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題に対する現在までの達成度であるが、研究計画書に記載してある「超音波ファントムによる硬さモニタリング評価」まで終了しているが、当初の計画と比較しやや遅れている状況である。その理由としては、デバイスの作成にやや時間を要したためである。具体的にはMEMS( Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いてのセンサー作成において、本デバイスを最適化するための超音波素子やバッキング剤選びおよび配線等のデザインなどに時間を要したためである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究において、デバイスの測定基本原理は確立されたため、今後はシリコーンファントムやブタ死体心を用いた実験を行い、センサーの分解能評価および改良を行う。その後、ブタ心筋虚血モデルを用いた動物実験を行い、臨床応用へ繋げる予定となっている。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度はデバイス作成の進捗が遅れ、動物実験を行うことが出来ず、動物実験諸費用が未使用となったため、次年度使用額が生じた。 来年度は、作成されたデバイスを用いた動物実験を主として行うこととなるため、動物実験に関わる費用(実験動物購入費、麻酔薬、縫合糸、持針器などの手術器械、抗菌薬や循環作動薬などの薬剤等)に使用することを計画している。
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