研究課題/領域番号 |
24592048
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
増田 信也 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (30596094)
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研究分担者 |
渋谷 拓見 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (10526453)
川本 俊輔 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20400244)
齋木 佳克 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50372298)
山家 智之 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (70241578)
秋山 正年 東北大学, 大学病院, 講師 (80526450)
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キーワード | 心臓大血管外科学 |
研究概要 |
平成25年度はイヌ慢性右心不全モデルの作成を行った。右心不全モデル作成のプロトコールに従い、右室心筋自由壁にエタノールを注射し心筋梗塞を形成する事により作成した。計4頭のイヌ慢性右心不全モデルの作成を行った。1頭目は麻酔による心機能抑制により、十分な梗塞巣を作成できなかった。麻酔プロトコールを変更することにより2頭目は、麻酔中の循環動態は安定し、エタノール注射を右室自由壁に広範囲に行う事が可能であった。また、2頭目からは十分な梗塞巣を得るために、右冠動脈から右室への枝を結紮する事とした。その後1ヶ月後に、安楽死を行い、心筋および肝臓の病理組織変化を確認したところ、どちらの組織も急性から亜急性期の変化であった。当初のプロトコールを変更し、エタノール注入から安楽死させる期間を2ヶ月に延長した。2ヶ月に延長した3頭目は心筋および肝臓の病理組織は慢性化していた。Swan-Ganzカテーテルのデータおよび容量負荷による右室仕事量はモデルの作成前に比べ有意に低下しており、病理学的および循環動態の変化より慢性右不全モデルとした。人工心筋は右側方切開・開胸下で右心室に縫着予定である。モデル作成時に胸腔および心嚢腔のサイジングを行った後に、Mock circulationを用いたIn vitroの実験により適切な縫着法を評価し、現在、人工心筋モデルを作成している。(共同研究者である東北大学加齢医学研究所心臓病電子医学分野の山家、白石らにより行われた。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一頭の慢性右心不全を作成するために初回のエタノール注射の実験から2ヶ月を要する。また、エタノール注射を行った後、慢性期に安楽死させ臓器を摘出し、病理標本の作成を行い心筋および肝臓の組織を評価しながらモデルの作成を行っていた。 確実なモデル作成およびMock circulationでのIn vitro実験に時間を要しており、平成25年度は人工心筋を使用しての動物実験まで至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
イヌ慢性右心不全モデルの作成と平行し、人工心筋の縫着方法についてMock circulationを用いて評価を行っている。Mock circulationでの評価が終了後、作成したイヌ慢性右心不全モデルでの急性動物実験を行いデータ収集し、慢性実験まで行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物実験モデルの作成に時間を要したため、人工心筋の縫着データを収集できなかった。Mock circulationのデータをもとにH26年度は人工心筋を縫着した急性期および慢性期実験が可能であると考えられる。また、データ収集が遅れているため、学会発表や論文による報告もしていない。 急性および慢性動物実験のための動物購入費用、学会発表時の旅費、論文投稿費用に使用する予定である。
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