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2012 年度 実施状況報告書

CREBを分子標的とした大動脈瘤に対する遺伝子治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24592052
研究機関山梨大学

研究代表者

松本 雅彦  山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30372501)

研究分担者 神谷 健太郎  山梨大学, 医学部附属病院, その他 (00377558)
榊原 賢士  山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (40419338)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2014-03-31
キーワード動脈瘤 / 遺伝子導入
研究概要

高齢化社会のため大動脈瘤患者が増加している。しかし、大動脈瘤に対する治療法はステントグラフトや人工血管置換による外科的治療に限られている。そのため、高リスク群において、手術後の重篤な合併症が危惧され、降圧療法のみで経過を見られることが多い。最近、このような高リスク群に対しての治療法として、侵襲の少ない遺伝子治療が検討され始めているが未だ確立されていない。今回、われわれは、新たな遺伝子導入による治療法としてCREB(cAMP response element binding protein)を標的とした動脈瘤の治療法を開発することとした。
以前よりわれわれのグループでは、正常動脈平滑筋細胞においてTGF-βがCREBをリン酸化することにより細胞増殖を減少させることを示してきた。(Kamiya K, Sakakibara K and et al.Mol Cell Biol. 2007 May;27(9):3489-98.)本年度、まずこの現象がヒト大動脈瘤壁由来の細胞でも、正常細胞同様にTGF-β使用することにより正常細胞と同様に細胞増殖を低下させることを確認した。次に、動脈瘤壁の由来細胞に対して遺伝子導入の検討を行った。われわれはアテロコラーゲン法を使用することとした。アテロコラーゲンは細胞外マトリックスタンパク質であるコラーゲンを酸素可溶化したもので生体適合性が高いバイオマテリアルである。siRNAとアテロコラーゲンは複合体を形成し、ヌクレアーゼによる分解を回避し、安定した状態で存在し、効率よく細胞内へ導入できるといわれている。適切な導入効率を得るため種々の検討が必要であり、その条件の検討を現在行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

動脈瘤壁の由来細胞に対して遺伝子導入の検討を行っている。導入法としてはアテロコラーゲン法を使用した。アテロコラーゲンは細胞外マトリックスタンパク質であるコラーゲンを酸素可溶化したもので生体適合性が高いバイオマテリアルである。siRNAとアテロコラーゲンは複合体を形成し、ヌクレアーゼによる分解を回避し、安定した状態で存在し、効率よく細胞内へ導入できるといわれているが、導入効率が上がらず難渋しているため

今後の研究の推進方策

今後遺伝子導入効率をあげることが第1目標である。
それと並行して、ヒト大動脈瘤壁からの血管平滑筋細胞を採取しCREBの発現を正常壁から採取した平滑筋細胞と比較し評価することを行う。
さらに今年度は以下の2点を目標とする。
1.ヒト腹部大動脈瘤においてCREB関連の因子の発現をDNAマイクロアレイを利用し検討。
2.マウス腹部大動脈瘤モデルでの動脈瘤拡大抑制効果があるかどうか検討する前段階として動脈瘤モデルの作成。

次年度の研究費の使用計画

昨年に引き続き大きな変化はなく主にIn vitroでの実験を予定している。
細胞培養関連(シャーレ、培養液、ウシ胎児血清)、効率のよいsiRNA CREBを探すため数種類を探す 増殖因子(PDGF,TGFβなど)、ヒト大動脈正常細胞(平滑筋細胞)、Transfection用のアテロコラーゲンへの使用を予定している。
免疫染色を始める予定であり条件設定のため数種類の抗体の購入、マウスの実験用の準備も予定している。当教室で分野が同じプロジェクトがあり、試薬等共有できたため今年度残金があった。

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公開日: 2014-07-24  

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