研究課題/領域番号 |
24592056
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
椎谷 紀彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00250449)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 大動脈手術 / 脊髄虚血障害 / 誘発電位 |
研究実績の概要 |
大動脈外科手術に伴う脊髄虚血障害を防止するため、経頭蓋脳刺激による筋電図である運動誘発電位motor evoked potential(MEP)のモニタリングが広く用いられているが、安定性が低いため偽陽性率が高く、予後との相関も乏しい。他のモニタリング法には脊髄誘発電位evoked spinal cord potential(ESCP)や体性感覚誘発電位somatosensory evoked potential(SSEP)があるが、前者は特異性は高いものの脊髄虚血に対する反応が遅く、かつ硬膜外電極を要するためヘパリン使用環境下での使用に難点があり、後者は感覚神経のモニタリングであるため、反応も遅く、特異性も低い。本研究は、食道電極を用いて脊髄を電気刺激することにより、硬膜外電極を用いずに感受性・特異性共に高いモニタリング法を確立することを目的として実施してきた。 初年度に、自作した刺激電極を用いて実現可能性を確認した後、次年度には、本法の安全性を確認し、また、経頭蓋刺激に比して麻酔薬への耐性には差を認めないものの、電位の安定性は優れることを発見した。 当該年度においては、初年度と次年度において得られた成果を国内外の学会で発表し、欧州心臓胸部外科学会でawardを取得するなど、高い評価を得た。同時に、下行大動脈バルーン閉塞モデルを用いて脊髄虚血に対する反応性の実験を進め、経食道刺激は経頭蓋刺激に比して、脊髄虚血に対する応答が早いこと、予後との相関が良好であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の主目的である、経食道刺激運動誘発電位モニタリング法を確立し、脊髄虚血検出に関する制度が経頭蓋刺激より優れていることを見出すことが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度に得られた成果を、海外の学会で発表することが決まっている。また、上肢の過大な運動を回避する刺激方法を実験中であり、もう数例の追加実験を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に得られた研究成果の国際学会での発表が、次年度4月末日に予定されたため。ならびに、数例の追加実験を要するため。
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次年度使用額の使用計画 |
米国胸部外科学会に発表するための旅費、ならびに動物実験経費として使用する予定である。
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