研究課題/領域番号 |
24592058
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
平野 弘嗣 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40378394)
|
研究分担者 |
新保 秀人 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70179076)
|
キーワード | 脊髄虚血 / エリスロポエチン / 血管再生 / 神経再生 |
研究概要 |
1.マウス脊髄虚血モデルの作成について:Adult male C57BL/6 mice を使用し、静脈麻酔を施し気管内挿管、仰臥位で左第二肋間を切開し、下行大動脈を露出、左鎖骨下動脈分岐後すぐの下行大動脈を脳外科用血管クリップにて9分間遮断、対麻痺を発症することが確認できた。 2.実験グループの設定:Erythropoietin投与群(5000単位のrecombinant human EPOを虚血30分前と術後7日間毎日経静脈投与)とコントロール群(同容積の生理食塩水を同じタイミングで経静脈投与)を設定した。 3.脊髄虚血作成後のマウスの経過観察について:両群を術後58日間にわたり観察し、生存率、後肢の運動機能、脊髄の組織所見を比較する予定であるが、二週間程度で死亡するマウスが多く、長期生存のマウスの個体数が少ないため十分な組織所見のデータが得られていない。 4.組織学的な脊髄障害の評価について:術後7日後の組織評価については脊髄のパラフィン標本を作製し、運動神経細胞の数のカウント、免疫染色による評価(CD34陽性細胞評価、brain-derived neurotrophic factor (BDNF)とVEGFの発現の度合い)が行えている。 5.血管再生と運動神経再生の評価について:術後28日目と56日目にの組織切片にてCD31陽性細胞とNeuN 陽性細胞を免疫染色にて同定することにより評価する予定であるが、いまだ十分な検体数が得られておらず、両群間の比較ができていない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
脊髄虚血マウスの生存率が低く、長期生存のマウスの検体が少ないため。また日常業務において、実験に費やせる時間が少ないため。
|
今後の研究の推進方策 |
1.マウス脊髄虚血モデルの作成について:生存率を向上させるため、術後生理食塩水の注射投与日数を増やす。また脊髄虚血時間を短縮し、対麻痺の重症度を下げてみる。 2.実験グループの設定について:まずは上記方法にて28日生存の検体数を増やし、EPO群とコントロール群で運動評価、組織評価について比較検討する。 3.最終目標について:28日後の評価が可能となれば、さらに56日後の評価も同様に行い、結論をまとめる。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究に従事する時間が十分でなく、動物、消耗品、免疫染色の抗体などの購入量が少なかったため。 研究に従事する時間を増やす。また研究の結論を得るため、EPO群とコントロール群の比較が可能となる十分な動物の検体数、組織検体数を確保することで、動物、消耗品、免疫染色の抗体などの購入量を増やし、交付金の全額を使用する見込みである。
|