研究課題
我々はすでに腹部大動脈瘤の拡張期においてPNが高発現していることを確認しており、初期データではあるが、ぺリオスチン(PN)ノックアウトマウスにおいて腹部大動脈瘤を作製したところ、その形成および拡大が有意に抑制できることを確認した。川崎病は年間約10,000人発症し、免疫グロブリン超大量療法(IVIG)が標準治療として行われる。しかし初期IVIGに反応しない症例も約15%存在し、追加治療を行っても3%の症例で冠動脈瘤を形成して心筋梗塞の温床となる。そこで川崎病に合併する冠動脈リモデリングと組織リモデリング関連因子PNの関連を検討した。愛仁会高槻病院を受診し、川崎病と診断された患者のうち、文書による同意が取得された患者13名にて検討を行った。対照群は研究の性質上、設けることは困難であるため、同一症例の治療前後での血中PN濃度の比較を行った。川崎病診断時の血中PN濃度は127.9±48.2ng/mlであったが、IVIG後は2150.4±63.8ng/mlと著名な上昇を認めた。本研究では川崎病診断時の血中PN濃度は患者の重症度と相関は認めなかった。また、IVIG後に著名な血中PN濃度の上昇を認めたが、川崎病の治癒過程との関連は認めなかった。本研究では、診断時及びIVIG投与後の冠動脈の拡張率、瘤形成率とPNの血中濃度の相関は認めなかったが、免疫グロブリン製剤中に高濃度のPNが存在することが確認された。今後は免疫グロブリン製剤中のPNスプライシングバリアントを計測する予定である。
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