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2014 年度 実施状況報告書

心移植後の慢性拒絶反応(冠動脈硬化病変)発生機序解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24592069
研究機関愛媛大学

研究代表者

泉谷 裕則  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90419200)

研究分担者 流郷 昌裕  愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90423459) [辞退]
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード心移植
研究実績の概要

心移植後の冠動脈硬化病変は、ドナー/レシピエント間の組織不適合による持続的な免疫刺激が移植心に加わることにより冠動脈中膜平滑筋細胞が内膜側へ、遊走、増殖し内膜が肥厚することにより病変が発生すると考えられていた。しかし、我々は、ラット心移植モデルにおいて組織適合性の異なるいくつかの組み合わせを用い、長期生着例の同時期にほぼ同様に病変が発生することを確認した。この結果から病変の発生は免疫刺激の程度に関係なくある一定の過程で生じる、つまり持続的な免疫刺激は必要でなくある時期に決定づけられる不可逆的な変化であるという仮説を立てた。これを証明するための独自の「戻し移植」モデルの手法を確立し、持続的な免疫刺激がなくても病変が生じることを報告してきた。これは、戻し移植により初めてその可能性が示された。さらにこのモデルにおいて、戻し移植をするまでの期間、最初のレシピエントを修飾することでより詳細な免疫機序の解析が可能である。

平成24年度からラット異所性心移植による「戻し移植」モデルをの作成、冠動脈病変モデルの作成をてがけているが時間を要している。平成26年度は、ラットの心移植後の冠動脈硬化病変モデルを作成し、冠動脈病変が移植後4週間で認められることを確認した。さらに戻し移植モデルを用いて、同様にモデルが再現できるかの検証を行った。戻し移植モデルでは移植後3日から7日後の移植心をレシピエントラットから摘出し、ドナーと同系のラットに再移植する。この際、移植心を摘出する操作は非常に難しく摘出心の心筋保護を適切に行わなければ拍動を再開させることが難しくなり、心筋に障害が加わることで冠動脈病変の評価が困難になる可能性がある。そのため熟達した手術手技操作の獲得が重要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

現在までラット異所性心移植による「戻し移植」モデルをの作成、冠動脈病変モデルの作成に時間を要した。計画では、免疫応答の関与についての実験、特にレシピエントを抗CD4抗体、あるいは抗CD8抗体で処理した状態で病変の発生について検討、またドナーにより特異的に感作されたCD4陽性T細胞、あるいはCD8陽性T細胞をレシピエントに細胞移入することにより当該細胞の病変発生の機序について検討する予定であった。
今後、計画通り、レシピエントを修飾した形での実験を行う予定である。

今後の研究の推進方策

ラット異所性心移植冠動脈病変発生モデルにおいて、移植心を一定期間後に取り出して、ドナーと同系のラットに再移植し、以降の再移植心への免疫刺激を回避することができる「戻し移植」モデルを用いて以下を行う。
①レシピエントの修飾
抗CD4抗体、あるいは抗CD8抗体投与により、レシピエントの免疫応答を特異的に除去した状態での病変発生を検討する。
②移植心解析
移植心の種々のサイトカイン、増殖因子の発現について、免疫組織、分子生物学的手法により検討する。

次年度使用額が生じた理由

実験系の確立に時間を要している。特に安定した手術結果を出すための手術手技の取得に時間を要している。そのため予定していた実験動物の使用数が少なく、次年度使用額が発生した。

次年度使用額の使用計画

実実験系で用いる実験動物の経費、免疫学的手法、組織学的解析に用いる種々の物品の経費が必要である。

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公開日: 2016-05-27  

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