研究課題/領域番号 |
24592071
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
大川 和成 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80405290)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 虚血性心筋症 |
研究概要 |
遅延造影MRIによる心筋バイアビリティー評価に基づいて行った虚血性心筋症に対する左室形成術は、自覚症状、心機能ともに改善し、これまでに報告されている左室形成術後の生存率より改善している。しかしながら、依然として術後に心不全を再発する症例を認めることから、拡張障害の関連が示唆されている。 本研究の目的としては、収縮能だけでなく拡張能についてもMRIにて心機能を測定することで、虚血性心筋症の予後関連因子を検討し更なるQOLの向上、治療戦略の確立を目指している。 MRI施行可能なEF 35%以下の虚血性心筋症患者を対象に、全例心臓MRIを施行。従来通り、遅延造影MRIの結果を基に心筋バイアビリティーを評価し、左室形成術の適応、切除範囲を決定した。術前、術後2週間、術後6ヶ月時に、MRIを用いて心機能を評価する。その際、拡張能の評価として最大充満速度 (PFR)、最大拡張到達時間 (TPF)を合わせて算出。術後経過中の自覚症状・心事故の有無を観察し、心機能、特に拡張能と心事故の発生の関係について検討した。その結果、MRIにて測定した最大充満速度 (PFR)、最大拡張到達時間 (TPF)と心事故の関係について、有意差を確認することはできなかった。ただ、同時に評価した心エコーでは拡張能と心事故発生において有意差を認めている。これらの内容については、日本冠疾患学会にて報告し最優秀演題賞を受賞することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
心エコーでは拡張能と心事故発生の関連性を確認することが出来たが、MRIにおいてはその関連性において相関傾向を認めているものの、心事故発生群、非発生群間の最大充満速度 (PFR)、最大拡張到達時間 (TPF)の有意差を確認することが出来なかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、症例を積み重ねてMRIにて最大充満速度 (PFR)、最大拡張到達時間 (TPF)を測定。心事故発生との関係を検討して区。また、同時に測定し得た、他の測定結果についても合わせて心事故発生との関連について検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
心臓MRIによる測定費用。およびそのデータ解析。また発表、情報交換のための学会参加費用として使用の予定である。
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