研究課題/領域番号 |
24592072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
北原 大翔 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70594729)
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研究分担者 |
岡本 一真 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10338064)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 移植・再生医療 / 再生医学 / 循環器・高血圧 / 重症心不全 / 細胞移植 / ヒト幹細胞 |
研究概要 |
①研究の成果 本研究では、生体組織の脱細胞化技術を用いて作製したRatの心臓三次元スキャフォールドに、ヒト胎児付属物(卵膜、胎盤、臍帯、子宮内膜)由来の間葉系細胞を生着させ、心筋分化誘導分子により高率な心筋分化を促すことで、現在問題になっている移植心不足を打破する可能性を持つ移植心創造の実現化を目指し、研究を遂行した。今後は更に発展させて、今後脱細胞化により得られた細胞骨格のタンパク解析を施行予定であり、間葉系細胞の生着を行う上で有効かつ実践的な研究ができる。 ②研究の具体的な内容 平成24年度は、実際にratから心臓を摘出し、特殊な冠動脈還流用のポンプにより、心筋全体に均一に薬物が還流するような環境下で脱細胞化を行った。複数のRatの心臓の脱細胞化を施行することで、脱細胞化に有用な化学物質の検討を行った。一つの細胞骨格を作成するのに多大な時間を要したため、より効率よい環境の整備、還流方法が必要と考えられた。 ③今後の展望と方向性 脱細胞化に最適な環境、器械を構築し効率よく実験を推進する過程を検討した結果、有用な実験プロトコル、機材の確立に至ったが、未だ改良の余地があると思われる。今後Ratの心臓の脱細胞化により得られた細胞骨格のタンパク解析を施行予定であり、心筋特有のタンパク構造の検討や細胞骨格と生着する細胞間での相互作用を考察し、先の実験で施行予定の間葉系細胞の生着を行う上での参考にする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
脱細胞化プロセスの確立に至っておらず、1モデル作成に多大な時間を要する。生着に用いる間葉系細胞の使用に関して更なる検討が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
①細胞骨格のタンパク解析 脱細胞化された細胞骨格のタンパク解析を施行し、細胞骨格の構造、分子形態が生着する細胞へ寄与する因子を検討する。 ②間葉系細胞の生着方法の確立 生着に最適な人工ポンプの作成、生着プロセスの確立を推進し、同時に脱細胞後の心臓を使用し間葉系細胞の生着を実際に行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
複数のRatの心臓三次元スキャフォールドを作成するための脱細胞化薬物と、冠動脈に薬剤を還流させるポンプ等の器械、タンパク解析にかかる諸費用などに研究費を使用する。
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