研究課題
本研究の目標は、生体組織の脱細胞化技術を用いてブタ心から心臓の三次元細胞骨格を抽出し、生体外で経冠動脈による血管内皮細胞の注入・生着、生体内で経心外膜下直接注入による間葉系幹細胞の注入・生着を行い、心筋分化誘導分子により高率な心筋分化を促すことで、全く新しい移植心の作製を実現化することであった。Ratですでに確立した脱細胞化法を応用してブタ心臓の脱細胞化を行った。最適な脱細胞化のプロトコールを得られるよう、温度、流速、圧など環境の計測を行える独自の効率的なシステムを開発し、この脱細胞化システムを用いてチャンバー内での心臓の脱細胞化を定型化した。得られた脱細胞化心臓3次元細胞骨格が細部に渡り十分に細胞を保持するマトリックス構造を有しているか、吻合可能な強度を持つ血管構造が保たれているかの詳細について、病理学的評価を行った。再細胞化を行う前段階の実感として、脱細胞化心臓骨格を用いて他のブタの腹部大動脈および下大静脈にそれぞれ端側吻合して異所性移植を行い、吻合可能な強度を有するか検証するとともに、ヘパリン化後に内部血流を血管造影検査にて評価した。脱細胞細心臓骨格は外科手技に伴う移植に耐えうるだけの充分な強度を有していた。又、移植直後の血管造影検査で右冠動脈への血流を確認した。移植3日後に心臓採取を行い病理学的な評価を行った。今後の研究の課題として再細胞化工程の定型化など、長期的な血栓予防の検討を行っていく予定である。
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