我々は独自の心臓脱細胞化システムを構築し、効率的なブタ心臓脱細胞化法を定型化した。脱細胞化心臓の病理組織学的評価により、三次元構造を保つ細胞外マトリックスが十分に残存し、細胞成分が効果的に除去されていることを証明した。又、脱細胞化心臓を他のブタの腹部大動脈、下大静脈にそれぞれ端側吻合し異所性移植を行い、吻合可能な強度を持つ血管構造が保たれていることを証明するとともに、血管内造影検査にて冠動脈および心腔内の血流を確認した。今後、適切な再細胞化工程・移植モデルの定型化などを構築する一方で、長期における血栓化の予防などの検討を行う予定である。
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