研究課題/領域番号 |
24592081
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 幸夫 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10312844)
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研究分担者 |
野口 雅之 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00198582)
後藤 行延 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20451700)
酒井 光昭 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60375508)
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キーワード | 肺癌 / 胸膜浸潤 |
研究概要 |
肺癌症例の手術において、正常部位と病変部の胸膜の微小血管所見をNBI観察し、組織像と対比し、胸膜浸潤部の特徴的微小血管所見を評価し、病理組織所見と対比した。正常胸膜では規則正しい微小血管の網の目構造が観察されるのに対し、肺癌胸膜浸潤例では、正常構造が消失し、不規則な点状血管が観察されることを確認した。症例を蓄積し、NBI所見による胸膜浸潤の正診率を評価し、不規則な点状血管は腫瘍の浸潤に伴う新生血管であると考察している。 また、組織にて胸膜浸潤部に発達する点状の微小血管の構造を詳細に検討し、肺癌胸膜浸潤と共に微小血管が発達するメカニズムを探っている。我々は胸膜浸潤部に発達する微小血管は腫瘍の新生血管であると推測しており、血管内皮細胞増殖因子VEGF(vascular endothelial growth factor)、線維芽細胞増殖因子FGF(Fibroblast growthfactor)、トランスフォーミング増殖因子(Transforming growth factor, TGF)を染色し、胸膜浸潤に伴う血管新生のメカニズムを解析中である。 肺癌のなかにも、浸潤性が高く胸膜浸潤・胸膜播種を早い段階で起こすものと、増大しても浸潤性が高くなく胸膜浸潤・胸膜播種を起こしにくいものがある。その差は腫瘍の血管新生を伴う浸潤性の強弱であると考えられ、予後と相関するとされている。血管新生と浸潤性の強い腫瘍には血管新生阻害薬の効果が期待できると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
手術時の胸膜所見の蓄積は概ね計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
組織にて胸膜浸潤部に発達する点状の微小血管の構造を詳細に検討し、肺癌胸膜浸潤と共に微小血管が発達するメカニズムを探る。我々は胸膜浸潤部に発達する微小血管は腫瘍の新生血管であると推測しており、血管内皮細胞増殖因子VEGF(vascular endothelial growth factor)、線維芽細胞増殖因子FGF(Fibroblast growthfactor)、トランスフォーミング増殖因子(Transforming growth factor, TGF)を染色し、胸膜浸潤に伴う血管新生のメカニズムを解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
注文した解析用機器が年度内に納入されなかったため。 ・胸膜所見の画像解析・肺癌浸潤胸膜組織での免疫染色をおこなっていく。
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