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2012 年度 実施状況報告書

ナノバブル超音波増強法を用いた肺静脈からの逆行性アプローチによる肺への遺伝子導入

研究課題

研究課題/領域番号 24592084
研究種目

基盤研究(C)

研究機関新潟大学

研究代表者

土田 正則  新潟大学, 医歯学系, 教授 (60293221)

研究分担者 小池 輝元  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90635723)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード遺伝子導入 / 逆行性導入 / ナノバブル
研究概要

Naked DNA法を用いてラットの左肺静脈から逆行性に左肺に遺伝子を導入する方法を確立した。
全身麻酔下で、ラットを開胸し、左肺静脈と左肺動脈をクランプし、肺静脈と肺大動脈との交通を遮断後、 24ゲージ留置針を左肺静脈に挿入し、肺の体積(1ml)と同程度の量のnaked DNA(プラスミドDNA)溶解液を左肺静脈から投与し、圧で肺の細胞内に遺伝子を導入した。
遺伝子導入・発現の効率の評価としてマーカー遺伝子であるpCAGGS-lusiferaseをレポーター遺伝子として採用し、肺組織中のlusiferase 活性をパラメーターとして、遺伝子導入・発現の効率を評価した。
臓器発現を経肺動脈経路と経肺静脈経路の2通りで検討した結果、導入の目的臓器ではない右肺、心臓でのlusiferase発現は投与経路で差がない事が判明した。一方導入目的臓器である左肺におけるlusiferase発現は逆行性投与経路である経肺静脈経路で経肺同動脈経路に比較して100倍近い発現を得られることが判明した。
繰り返し実験で再現性があり本投与経路の有用性が確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当動物実験施設の改修工事により動物実験が制限されていること、さらに研究者自身の教育・学部および病院管理にかかわる時間増加による研究体制の変化により動物を用いた実験が遅れていることが原因。
動物実験施設使用再開後には体制を改善して取り組むことで現在の遅れはおおむね取り戻すことが可能と考えている。

今後の研究の推進方策

遺伝子導入に際し超音波を用いてマイクロバブルを発生させると遺伝子導入効率が向上することが知られている。マイクロバブル発生に際して細胞膜に微小な孔が一時的に形成されることで遺伝子導入効率が向上すると考えられている。マイクロバブル発生には通常optisonという薬が使用されている。本研究ではマイクロバブルよりも更に微細であるナノバブルを使用する。通常のNaked DNAによる導入の研究と同様に、肺での発現部位を同定し、 肺組織への影響をPAS、PAM染色で検討する。少量の遺伝子溶解液で肺への遺伝子導入の可能性を明らかにする。
ナノバブルは直径が1μm以下の超微細な気泡であり、肺の毛細血管から組織中に物質が移行するためには粒子径が8μm以下であることが必要と考えられていることから本法を併用することでさらに効率の良い導入・発現が期待される。さらに、 hydrodynamics-based transfection法に依らない、すなわち、肺組織に対する侵襲がより小さいと考えられる少量の遺伝子溶解液で有効な遺伝子導入の可能性がある。一方、ナノバブルの肺への影響を検討する必要がある。ナノバブルを作成し、 上記のnaked DNAの検討で得られた条件で導入し、導入・発現効率の違いを決定する。

次年度の研究費の使用計画

超音波発生装置として日本スリービー・サイエンティフィィック社製装置(760,000円)を購入する。この装置ではマイクロバブル発生に際して細胞膜に微小な孔が一時的に形成されることで遺伝子導入効率が向上することが期待できる。
本研究ではマイクロバブルよりも更に微細であるナノバブルを一定の割合で混じ導入効率が高まらないかを検討する。肺の毛細血管から組織中に物質が移行するためには粒子径が8μm以下であることが必要と考えられていることから直径が1μm以下の超微細な気泡であるナノバブルを併用することで導入の局在も変化することが期待されるのでこの条件に合ったナノバブル水を試薬として購入する。
一方、ナノバブルの肺への影響を検討する必要がある。
このためにプラスミド培養試薬、ラット、遺伝子解析用試薬の購入が必要である。また、肺での発現部位を同定し、 肺組織への影響をPAS、PAM染色で検討するために組織染色の試薬を購入する。

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公開日: 2014-07-24  

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