研究課題/領域番号 |
24592084
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
土田 正則 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60293221)
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研究分担者 |
小池 輝元 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90635723)
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キーワード | 遺伝子導入 / 逆行性導入 / ナノバブル / 肺 |
研究概要 |
これまでの実験で、ラットの肺静脈から逆行性に遺伝子を含む溶液を注入することで肺動脈からの順行性注入に比べて遺伝子導入効率が100倍近く向上することを確認した。遺伝子の導入・発現効率については、マーカー遺伝子であるpCAGGS-lusiferaseをレポーター遺伝子として採用し、肺局所のルシフェラーゼ活性の推移を評価した。また、導入遺伝子の量を一定にして至適導入溶液量を決定した。注入量は肺組織のダメージを起こさない0.4mlが適切であり、遺伝子導入原理であるhydrodynamics-based transfection法として注入されてから一定の圧が一定時間持続することが重要であることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度動物実験施設の改修工事で動物実験が制限されていた旨を報告した。昨年秋以降に施設が再稼働したことで後れを取り戻せると考えていたが、動物のサーカデアンリズムに影響を与えないよう20時以降の実験時間の制約が新たに加わり、また研究者自身の学部・病院運営管理の時間が増加したがこれを改善することが困難であり、かつ、実験協力者の大学院生の体調不良による退学などが原因となった。 実験施設の実験時間が今年度から緩和されることから、本年度は動物実験を中心に時間を取ることで後れを取り戻す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では微細ナノバブルでプラスミドを溶解し導入することで導入効率が高まらないかを検討する。肺の毛細血管から組織中に物質が移行するためには粒子径が8μm以下であることが必要と考えられていることから直径が1μm以下の超微細な気泡であるナノバブルで溶解することで導入の局在も変化することが期待される。 を併用して導入効率の向上を目指す。 ナノバブルの肺への影響を検討する必要があるため、ナノバブルのみの注入による変化も観察する。肺組織への影響をPAS、PAM染色で検討する。少量の遺伝子溶解液で肺への遺伝子導入の可能性を明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物実験施設の改修工事で動物実験が制限されていたこと、また研究者自身が学部・病院運営管理責任者となりそれらの業務時間が増加して研究時間の確保が困難となったことが原因で、動物実験と遺伝子導入に際して使用する試薬の購入が遅れたためである。 本年度に動物実験実施時間を確保し必要物品を購入する。
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