研究課題/領域番号 |
24592085
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松本 勲 金沢大学, 大学病院, 講師 (80361989)
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研究分担者 |
早稲田 龍一 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 助教 (20579651)
小田 誠 金沢大学, 医学系, 准教授 (50224241)
渡邊 剛 金沢大学, 医学系, 教授 (60242492)
滝沢 昌也 金沢大学, 大学病院, 助教 (90612317)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 体外肺切除 / キトサン / 気管支創傷治癒 / 心膜周囲脂肪織 / 肋間筋 |
研究概要 |
平成24年度は、実験開始に先立ち、超音波双方向血流計、フレキシブル型プローブを購入し、血流測定を行う準備をし、体外肺切除モデルの作成を開始した。気管支吻合部のキトサンナノシート被覆群(キトサン群)の作成に当たり、キトサンナノ繊維シートは比較的硬いため、気管支吻合部の縫合糸の部分で浮き上がってしまうため、北海道曹達株式会社とともにキトサンをスポンジ状として縫合糸があっても吻合部を被覆できるよう開発を行うこととした。 ①キトサンスポンジの作成:脱アセチル化度93%のキトサンをトリフルオロ酢酸で溶解し、塩化メチレンを加え、ろ過してキトサントリフルオロ酢酸液を得る。これを噴霧し4.5㎎/ml、9㎎/mlのスポンジ状とした。 ②ウサギ気管を用いた予備実験:ウサギ6羽使用。ウサギの気管を切離後、4-0ものフィラメント糸で連続縫合し、キトサンスポンジを被覆後閉創した。4.5㎎/ml、9㎎/ml の比較では、4.5㎎/mlスポンジの方が気管支に巻き付けやすいが、強度が弱く、保存のため水に浸漬すると耐久性がなくなることが判明した。このため、4.5㎎/mlスポンジの片面にキトサンフィルムを貼付し、乾燥品として用いることとした。 ③キトサンスポンジの感染の問題:ウサギの3羽で創感染を起こしたため、キトサンスポンジの作成、実験操作で消毒を徹底し、残りの3羽は感染を起こさず3か月以上長期生存した。 その後、イヌにおける体外肺切除コントロール群(気管支吻合部被覆なし)の作成を開始しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
キトサンナノ繊維シートが比較的硬いため、気管支吻合部の縫合糸の部分で浮き上がってしまうため、縫合糸があっても吻合部を被覆できるキトサンスポンジを開発した。このため、体外肺切除モデルの作成が予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は予定通り体外肺切除モデルを、コントロール群(被覆なし)、有茎心膜周囲脂肪織被覆群、肋間筋被覆群、キトサンナノスポンジ被覆群の作成を行い、気管支吻合部の評価を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記の体外肺切除モデルの作成、気管支吻合部の病理学的評価について研究費を使用する予定である。 尚、平成24年度に\177,682の未使用額が発生したのは、予定していた体外肺切除モデルの作成が遅れており、作成に必要な実験動物や試薬を購入しなかった為である。
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