研究課題/領域番号 |
24592085
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
松本 勲 金沢大学, 医学系, 准教授 (80361989)
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研究分担者 |
早稲田 龍一 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (20579651)
小田 誠 金沢大学, 医学系, 准教授 (50224241)
渡邊 剛 金沢大学, 医学系, 教授 (60242492)
滝沢 昌也 金沢大学, 大学病院, 助教 (90612317)
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キーワード | 肺癌 / 体外肺切除 / 創傷治癒 / キトサン / 肋間筋 / 心膜周囲脂肪織 |
研究概要 |
(1)ビーグル犬を用い体外肺切除モデルを作成した。全身麻酔下に左開胸し、左肺全摘を行い左肺後葉のみを自家移植した。肺癌に対する2群郭清を加えた。(2)気管支吻合部の被覆:①コントロール群(被覆なし、n=5)、②肋間筋被覆群(n=5)を作成した。(3)被覆法の有効性の評価として、術直後、術後3日、術後7日、術後14日、術後1か月、術後2か月に、気管支鏡下に吻合部粘膜の血流測定、胸部レントゲン写真撮影を行った。死亡時、術後2か月に移植肺を摘出し、気管支吻合部の病理学検査を行った。(4)【平均の手術時間/遮断時間】コントロール群:137.5±15分/55.0±9.1分。肋間筋被覆群:169.0±10.8分/52.6±6.2分。【経過】コントロール群:5頭中2頭が死亡(肺動脈血栓、気管支縫合不全で5日目、気管支縫合不全で14日目)。肋間筋被覆群:5頭とも生存。【気管支吻合部血流:術直後、3日目、7日目、14日目、1か月、2か月】<中枢気管支に対する気管支吻合部組織血流比(%)>コントロール群(生存例のみ):48.5±10.5/54.6±17.5/60.6±23.0/59.2±26.0/82.6±6.5/91.2±5.0。肋間筋被覆群:51.3±1.2/53.4±16.3/59.8±2.3/71.2±12.9/77.5±0.8/90.5±7.2.。<中枢気管支に対する末梢気管支組織血流比(%)> コントロール群:78.0±12.0/89.7±5.5/81.1±20.3/96.9±26.0/103.3±0.9/96.7±1.6。筋被覆群:82.6±11.5/91.8±11.2/95.8±28.2/87.5±4.3/93.5±0.7/97.0±4.8。(5)気管支吻合部の肋間筋被覆は、気管支吻合部の血流を維持する効果があり、気管支縫合不全を防ぐ。今後はキトサンシート被覆の検討を加える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
キトサンシートの最適化に時間を要した。また、ビーグル犬の心膜周囲脂肪織は薄く体積もないため気管支被覆に適さないため、心膜周囲脂肪織被覆群は作成できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
ビーグル犬の比較検討群を、①被覆なし、②肋間筋被覆、③キトサンシート被覆群の3群とし、前2群は終了しているので、キトサンシート被覆群の作成を行い、3群間を比較検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
気管吻合部をキトサンナノ繊維シートで被覆する群の作成を行い、被覆なし群、肋間筋被覆群、キトサンシート被覆群を比較する。 上記の体外肺切除モデルの作成、気管支吻合部の病理学的評価について研究費を使用する予定である。
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