研究課題/領域番号 |
24592086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横井 香平 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60378007)
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研究分担者 |
谷口 哲郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20378186)
川口 晃司 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10402611)
水野 鉄也 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60528800)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 悪性胸膜中皮腫 / アスベスト / 遺伝子変異 / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 肺内アスベスト濃度 |
研究概要 |
悪性胸膜中皮腫の推計罹患患者数は今後30年間にわたり、増加の一途を辿ると予測されているが、劇的な効果が期待される治療方法は未だ確立されていない。有効な治療方法の開発には、悪性胸膜中皮腫の遺伝子解析および病態解明が急務である。我々は、これまでに細胞株の樹立、遺伝子解析とアレイCGH解析などにて、種々の原因となりうる遺伝子の同定と解明に努めてきた。悪性胸膜中皮腫の発生機序をさらに解明する必要があると考え、今回の研究を計画した。 1. 悪性胸膜中皮腫細胞株の樹立とその細胞生物学的解析 細胞株樹立:手術切除した悪性胸膜中皮腫症例から胸水と腫瘍切片を採取し細胞株の樹立を開始した。術前化学療法後に手術を施行する症例が多いことと、胸水中に中皮腫細胞以外に線維芽細胞が多く含まれていることより、細胞株の樹立に難渋している。より多くの症例を集積することが肝要であるため、関連施設に手術実績をアピールし、症例集積に努めつつ、治療成績の向上を図っている。 2. 悪性胸膜中皮腫切除症例における肺内アスベスト濃度測定;分析電子顕微鏡による肺内アスベスト線維の種類同定と濃度測定:胸膜肺全摘術により切除された悪性胸膜中皮腫の腫瘍内および肺内アスベスト濃度とその種類について分析電子顕微鏡で検索した。肺内アスベスト濃度の検討により、発症リスクが高いと言われている青石綿を多数認めた症例がある一方、アスベスト濃度が職業的暴露の無い標準的な都市生活者の平均値と同程度の症例も認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
悪性胸膜中皮腫症例は増えつつあるというものの、発見時すでに進行している場合が多く、手術に至る症例自体がなかなか増えていない状況であり、検体の採取が進んでいない。 また、今までは、他施設のラボで研究を進めていたが、平成24年度から、自施設内にラボを立ち上げることとした。施設環境整備に時間を要したこともその一因だと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
症例の集積を進めつつ、新たな検体の採取に努める。 樹立細胞株および腫瘍検体を用い、アレイCGH法などの網羅的解析手法を用い、さらなる悪性胸膜中皮腫特有の遺伝子異常の解析を行う。 併せて、マウス胸腔内移植モデルに、既存の抗がん剤や分子標的薬を投与し、その薬物動態や腫瘍縮小効果の解明を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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