研究課題/領域番号 |
24592089
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中桐 伴行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70528710)
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研究分担者 |
南 正人 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (10240847)
井上 匡美 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10379232)
奥村 明之進 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40252647)
澤端 章好 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50403184)
新谷 康 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90572983)
川村 知裕 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30528675)
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キーワード | 肺移植 / 慢性拒絶 / 分子標的治療 |
研究概要 |
肺機能不全に対する治療は、現在、肺移植しかなく、徐々に社会的コンセンサスが得られてきている。しかし、肺移植後の成績に関しては、まだまだ満足のいく成果が得られていない。 肺移植後の遠隔成績を決める最大の理由は、慢性拒絶の有無である。肺移植における慢性拒絶は、病理学的に閉塞性気管支炎(BO)が形成されることであるが、その形成機序・抑制方法・治療法はまだわかっていない。 我々はこれまでの研究において、BO形成にIL-6が関わっていることを明らかにした。IL-6受容体はSTAT3という伝達物質により、そのシグナル伝達をしていることがわかっている。 これより、我々はマウスBOモデルにおいて、STAT3の活性化を抑制し、BO形成を抑制できるのではないかと仮説を立てた。 STAT3は、そのリン酸化のよりシグナル伝達をすることがわかっている。そこで、BO形成抑制効果が得られる抗リン酸化物質を探し、今年度の研究により、亜鉛投与により、BO形成が軽減されること判明した。関節リュウマチの研究により、亜鉛投与がSTAT3リン酸化を阻害し、関節の炎症を抑制することがわかっており、同様の機序が起こっていると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗リン酸化化物質としての亜鉛投与により、BO形成の抑制が得られることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後、亜鉛によるBO形成抑制の機序が、本当に抗リン酸化によるものなのかを組織の免疫染色やRT-PCR、タンパク解析(Western blot)により、解析していくつもりである。 また、将来的にはヒトで胃粘膜保護剤服用群(亜鉛投与群)と、非投与群の比較試験を行う予定である。
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