研究課題
肺癌は組織学的に小細胞癌と非小細胞癌に大別され、組織型に応じて薬剤を選択し化学療法が行われてきた。しかし2004年に我々とDana Farber 癌研究所の共同研究からEGFR遺伝子変異が(Paez JG et al. Sasaki H. 12番目、Fujii Y.13番目。Science304:1497-1500.)、2007年に日本の間野博士のグループからALK転座が発見され、さらにEGFRチロシンキナーゼ阻害剤やALKチロシンキナーゼ阻害剤が認可されたことにより肺癌特に腺癌の診断、治療体系が一変した。肺腺癌に対する新たな分子標的として2012年にはRET遺伝子の転座を共同研究の中で見いだし(Lipson D et al. Nature Med 2012; 18(3):382-384. Sasaki H 24人目)、FISHプローブの開発を行ってきた。RETは甲状腺随様癌において転座が報告されていた。2014年にはさらに新しい分子標的として肺癌におけるFGFR3転座を見いだしClinical Cancer Research誌に報告した(Capelletti M et al. Sasaki H. 7番目、Clin Cancer Res 20(24): 6551-6558. )。この転座は1%程度の比較的まれな転座であった。一方肺癌におけるBRAF遺伝子変異も注目されており、当科でもその検出を試みてきた。この中で頻度が多いV600E遺伝子変異について、マイクロダイセクションを用いたintra tumor heterogenityの検索を進めCAST-PCR法で検索した。本方法では腫瘍内変異率の推測も可能であった。BRAF遺伝子変異例についてリアルタイムPCRを用いたコピー数の検討を行いFISH法との関連を検索した。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)
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