画像伝送とレーザー照射が同時に施行可能な複合型光ファイバーを使用して、肺野末梢の小型肺癌に対して光線力学的治療法を確立するために本研究を行った。最終年の平成26年度は、末梢小型肺癌に対する臨床試験を行うために(独)医薬品医療機器総合機構における薬事戦略相談事前面談を利用して、非臨床試験の充足性について検討した。 1.直径1mmの複合型光ファイバーを肺癌のために切除予定の症例に、安全に誘導できるかどうか検討した。「複合型光ファイバーによるレーザー光による腫瘍同定法」について東京医科大学病院における倫理員会の承認後、患者さんの同意取得者に対して施行した。全身麻酔下に、肺癌のために切除予定者に対して気管挿管チューブより細径気管支鏡を挿入し、鉗子口よりガイドシース(SG200C、最大径1.95 mm、オリンパス社製)を末梢肺野まで誘導した。その後、直径1mmの極細複合型光ファイバーをガイドシース内から挿入し、末梢肺まで誘導し664nmの赤色レーザー光を照射し、肺胸膜面からの赤色レーザー光を観察することは可能だった。本研究により、極細複合型光ファイバーを末梢肺野まで安全に誘導し、赤色レーザー光を照射することは可能だった。 2.末梢小型肺癌病巣に正確に複合型光ファイバーを誘導する前に、まず腫瘍の同定が必要である。そのために、胸部CTよりvirtual bronchoscopyによるnavigationを利用し、ガイドシースの挿入後、末梢肺野用超音波(EBUS)プローブを挿入し、その画像を解析した。EBUS所見から、末梢小型肺癌を同定することが可能であった。
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