研究課題/領域番号 |
24592108
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
岡 壮一 産業医科大学, 医学部, 助教 (20596655)
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研究分担者 |
宗 知子 産業医科大学, 医学部, 助教 (00341529)
田中 文啓 産業医科大学, 医学部, 教授 (10283673)
大永 崇 富山県工業技術センター, その他部局等, 研究員 (10416133)
浦本 秀隆 産業医科大学, 医学部, 准教授 (90389445)
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キーワード | 循環腫瘍細胞(CTC) / CTC-chip / CellSearch |
研究概要 |
“Cell Search”で検出した循環血液中腫瘍細胞(CTC)は米国で乳癌/大腸癌/前立腺癌での臨床使用が認可されている。これまでの研究で我々は、肺癌でのその臨床的有用性をはじめて示した(Tanaka F他、Clin Cancer Res 2009等)が、検出感度は十分とは言えなかった。マイクロ流体チップ(“CTC-chip”)は、CTCのより高感度な検出が可能なシステムとして米国で開発された(Nature 2007等)が未だ実用化されていない。 我々は国産の“CTC-chip”を開発した(Ohnaga T他、ISMRC 2011)ので、肺癌における有用性を“CellSearch”と比較検討し、より高感度かつ信頼性の高いCTC検出システムに改良することを目的とする。 今年度は、臨床的に遠隔転移を有する肺癌患者より得た末梢血液中のCTCを、“CTC-chip”と“Cell Search”を用いて検出し、その検出感度と個数を比較検討した。その結果、ある程度相関をもって、従来から構築されている “Cell Search”と同様の補足を “CTC-chip”でも行える事が判明した。また、実際に、“CTC-chip”の中を、CTCが流れる速度(流速)および、流入方法を工夫することで、CTCの補足率の向上につながる可能性があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展している。“CTC-chip”の技術的改良とその検出感度を細胞株により一部検討できている。非悪性疾患患者および各種臨床病期の肺癌患者より得た末梢血液を用い、“CTC-chip”によるCTC検出を行い、特異度と感度を検討できている。肺癌患者においては、“CellSearch”とのCTC検出感度についての比較検討ができた。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、抗EpCAM抗体を用いて、臨床検体での循環腫瘍細胞の検出を行っていく。さらに、捕捉細胞の遺伝子解析にも取り組んでいく。 また、EMT関連の表面マーカーでの捕捉の是非を検証し、EMTを起こした腫瘍細胞の捕捉にとりかかる。
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次年度の研究費の使用計画 |
残額以下の価格の物品を購入する機会がなかったため 平成26年度分直接経費と併せて使用する
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