研究課題/領域番号 |
24592109
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
坂尾 幸則 公益財団法人がん研究会, がん研究所病理部, 客員研究員 (00274605)
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研究分担者 |
文 敏景 公益財団法人がん研究会, 有明病院呼吸器外科, 副部長 (10574642)
奥村 栄 公益財団法人がん研究会, 有明病院呼吸器外科, 部長 (40465935)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | イメージング / 有機プローブ / 肺がん |
研究概要 |
これまでに、肺がん126症例において、有機プローブをもちいた癌細胞検出の検索を行った。内訳は原発性肺癌107例、転移性肺腫瘍19例である。それらのうち、わずかでも蛍光が観察された例数は、原発性肺癌では66例(蛍光陽性率は61.7%)、転移性肺腫瘍では13例(同68.4%)であった。この場合の陽性の判定は、正常組織での蛍光の有無にかかわらず、腫瘍組織でわずかでも蛍光の見られたものを陽性としており、陽性率は比較的高かった。 今後の課題としては、(1) 肺癌、および転移性肺腫瘍にはいくつかの組織型があり、組織型ごとの陽性率を判定する必要があること、(2) 腫瘍組織での蛍光のみではなく、同一症例の正常組織における蛍光強度との比較により陽性率を判定する必要があること、が挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最初の年度である平成24年度は、肺癌においてこの有機プローブがどのように作用するかを大まかに見きわめるため、とにかく例数を増やすことに努めた。その結果、原発性肺がん107例、転移性肺腫瘍19例において、データを得ることができた。おおむね、順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、例数を増やすと共に、陽性と判定するクライテリアを決める作業を行う。腫瘍組織と共につねに正常組織の蛍光発光も調べているので、その比率により判定するという方向で決めていきたい。また、原発性肺癌、転移性肺腫瘍は、さまざまな組織型のある点が特徴であるから、各組織型ごとに蛍光データをまとめ、腫瘍の個別化を進める。 また、本研究は早期のがんの検出が主要な目的であるが、それと共に、播種巣の検出も目的の一つとして、研究を進める。肺癌の手術療法では、播種巣の存在は、手術の可否を決める重要な因子である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度と同様に、消耗品を主体とし、成果発表のため、国内外の学会に出張する予定。
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