光機能性有機プローブはがん細胞に取り込まれ、かつがん細胞特有の酵素活性により蛍光を発する性質である。当研究では肺がん肺組織112例(原発性肺癌91例、転移性肺腫瘍21例)、胸膜播種結節4例に対して同プローブを用いてがん細胞の検索を行った。結果、肺がん91例中61例(蛍光陽性率67.0%)、転移性肺腫瘍21例中15例(蛍光陽性率71.4%)、播種結節4例全例(蛍光陽性率100%)で蛍光陽性と判断した。 術中にがん細胞が可視化できれば病変部位の同定や広がりの把握、切除範囲の決定などに極めて有用になる。簡便かつ迅速に蛍光を呈する光機能性有機プローブは、微小がん細胞が可視化できるツールといえる。
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