本研究では、虚血再灌流モデルにおいて、経動脈的冷却灌流を行い、梗塞体積が1/3に縮小することを明らかにした。次いで、このモデルにおいて経時的な検討を行い、①AQP4での一過性発現亢進(2時間)、②アストロサイト終足の膨化と微小血管の圧迫狭窄(2~6時間)、③ICAM-1発現亢進(6~24時間)、④血管透過性亢進(6~24時間)、⑤梗塞の拡大(6~24時間)、⑥好中球浸潤、MMP9発現亢進、ミクログリアの増加(24時間)を認めた。治療群では、これらの現象がすべて抑制されており、冷却灌流による再灌流早期の低温化のインパクトが治療効果を発揮する上で重要であると考えられた。
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