近年の前向き研究で小型未破裂脳動脈瘤の破裂率は比較的低いことが示されている。本研究では52名の未破裂瘤患者を対象とし、患者自身が感じている主観的生活の質調整年の損失(QALY loss)を評価した。一方、未破裂瘤自然歴を表現したマルコフモデルを作成し、未破裂瘤によるQALY lossを算出した。計算された未破裂瘤による理論的QALY lossは比較的小さく中央値は0.4年、そして予想される余命の1.9%であった。一方、主観的QALY lossの中央値は10.0%~19.5%であった。未破裂瘤の告知は患者に理論的損失以上の心理的損失をもたらしていることが示された。
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