研究課題
もやもや病患者や類もやもや患者群:MMD群及びコントロール群患者(もやもや病、類もやもや病以外の脳脊髄疾患患者):control群より髄液検体を採取しSELDI-TOF-MSによるプロテオミクス解析を行い34個のもやもや病におけるバイオマーカー候補を発見した。その中で質量4kDaであるバイオマーカーを利用してMMD群は19歳以下(小児もやもや病 12症例)と20歳以上(成人もやもや病 9症例)の2群に分け、それぞれ年齢をマッチさせたcontrol群と比較した。追加的な臨床データとして、①術前後の主幹動脈の狭窄閉塞性変化と②血管新生の評価を行った。統計処理により4473Daのペプチドはもやもや病、とりわけ小児群において優位差を持って高いピークを示し、診断バイオマーカーとして用いた場合、高い感度、特異度を示した。4473Daペプチドの分布は術後の血管新生や血管の狭窄性変化との高い相関関係が示された。次にこの4kDaのペプチドの精製、物質同定を行った。精製、Trypsin消化しLC-MS/MSによりイオンを開裂させ、得られた mass spectrumに対しMS-Tagを用いたデータベース検索を行った。これらはPENK 143-183(uniprotkb: P01210 143-183)を構成するpeptideであった。化学発光基質を用いたSandwhich ELISAにより、MMD群とcontrol群における髄液中のPENK 143-183濃度を測定した。MMD群はcontrol群に比べて有意に上昇していた(P<0.001)。小児(age<18 y.o)および成人(age≧18 y.o)に分けて比較した場合でも、MMD群においてPENK 143-183 濃度は有意に上昇しており、小児(P<0.001)の方が成人(P<0.01)より顕著であった。
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J Stroke Cerebrovasc
巻: 24 ページ: 104-111