研究課題/領域番号 |
24592123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石井 暁 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (30467469)
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研究分担者 |
岡田 英史 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40221840)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 頚動脈 / プラーク / 近赤外線 |
研究概要 |
本年度は、まずウサギの皮下に外科的に埋没した脂肪組織の近赤外線イメージングを行った。近赤外線光は、ウサギ食道内に留置した発光プローベより疑似プラーク方向に照射して、透過光線をウサギ皮膚上プローベで回収する。反射光スペクトルを解析、予備実験により取得済みのプラーク構成成分のスペクトルと比較、疑似プラークの成分解析を行った。 頚部組織を対象とした場合の問題点としては,食道に照射プローブ,体表に受光部プローブを設置するというプローブ配置法では,CTのように多方向から光を照射,検出する測定系を構築することができないということが考えられ,深さ方向の空間分解能を向上させることが課題となる。このため、慶応義塾大学岡田英史教授らにより、ヒト頚部の組織とプラークを含む血管を簡略化したモデルを構築し,光伝播をシミュレーションすることで実用可能性について検討をおこなった。 これらの検討を元に、ウサギ頚部の皮下浅層に埋没させた脂肪の描出は十分に可能であった。しかしながら、筋層よりもさらに深部に埋没させた脂肪の描出は、近赤外線の散乱と減衰のため、十分な描出ができず、来年度以降の検討課題とされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の計画通り、ウサギ皮下組織の表層に埋没させた脂肪を近赤外線を用いて描出することに成功した。深さ10mm程度までは問題なく描出可能だが、深さ20mmを超えると解像度は著しく低下した。
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今後の研究の推進方策 |
ウサギ皮下組織の深部に埋没させた脂肪の描出に最適な近赤外線波長を再検討する。 さらに、動脈硬化ウサギ(WHHLウサギ)の大動脈を用いて、実際の血管壁のプラークの描出も試みる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に、ウサギを使った動物実験に研究費は使用される予定である。ニュージーランドウサギ約10匹およびWHHLウサギ10匹の購入を計画しており、WHHLウサギは大動脈プラークを観察するため、数ヶ月の飼育を要する見込みである。
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