研究概要 |
研究の目的 1.ヒト多能性幹細胞(ES細胞:胚性幹細胞、iPS細胞:人工多能性幹細胞)から脊索細胞の誘導法を確立する。 2.同幹細胞由来の脊索細胞、神経細胞を用いて神経管腹側のfloor plate型の細胞を誘導する。 3.Floor plateの発生で働く遺伝子、蛋白質のスクリーニングを行う。 4.得られた知見によりより生体に近い環境でのドーパミン神経、運動神経の分化誘導法を確立し、再生医療や病態解明に役立てる。 平成24年度の成果:マウスES細胞からの脊索誘導の最近の報告(W inziら2011)を基にヒトES細胞、iPS細胞用に改変してプロトコールを作成を試みた。Activin, Wnt、レチノイン酸、BMP、などのシグナル因子、阻害因子、およびbFGFなどの成長因子を分化 ステージによって適宜組み合わせた。まずは第1段階としてmesendodermの誘導に成功した。添加する因子の濃度やタイミング、細胞の培養密度などについて各段階での評価系のマーカーを用いて至適条件を決定た。 Mesendodermからの第2段階の誘導では脊索誘導の指標としてNoto, Foxa2, Shh, Noggin, Chordin, Foxj1等を考えている。Shh, Foxa2の発現が確認されたが、その他のマーカーに関してはまだ発現を確認できていない。今後は分化誘導の至適化を進めていくと共に、適正なマーカーの探索も行っていく予定である。
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