脊索は発生初期に神経管近傍に出現し、ShhやNogginといわれる分泌蛋白を産生し、ドパミン神経などの特定の神経の発生を誘導する。これまでにカエルやニワトリらを用いて脊索の役割が研究されてきたが、ヒトでは胎児を使う事が困難なため研究が進んでいない。本研究ではヒトのES細胞、iPS細胞を用いる事でヒトでの脊索および神経管の初期発生におけるモデルを作成した。既知の因子、低分子化合物の組み合わせによりヒトES細胞、iPS細胞から脊索細胞を誘導する条件を検討しShh, Foxa2という脊索で発現しているマーカーを確認する事ができた。本法により従来では困難であったヒト脊索の初期発生の研究の道が開けた。
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