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2013 年度 実施状況報告書

動脈硬化性巣における新規血管新生調節因子バソヒビンの発現様式と病的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 24592125
研究機関京都大学

研究代表者

吉田 和道  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90598921)

研究分担者 荒井 秀典  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60232021)
キーワード動脈硬化 / 不安定プラーク / プラーク内出血 / 血管新生 / 分子イメージング
研究概要

頚動脈狭窄症における不安定プラークの分子イメージングおよび分子標的薬の創薬を将来的な目標として、新規血管新生調節因子バソヒビンの頚動脈プラークにおける発現とその意義を明らかにすることが本研究の目的である。
平成25年度の研究計画においては、頚動脈狭窄症患者に対する内膜剥離術で摘出されたヒト頚動脈プラークを用いて、プラークの不安定性とバソヒビンの発現様式の関連を明らかにすることとした。
平成25年度の研究でこれまでに以下の事実が明らかとなった。RT-PCRによりヒト頚動脈プラークにおいてバソヒビン-1の発現を定量的に評価し、免疫組織化学的手法によりプラークにおける発現分布を確認した。動脈硬化巣においてバソヒビン-1の発現が確認されたのは本研究が初めてである。更に発現分布を詳細に検討することによって、一つの標本内において、線維性成分の豊富な部分、すなわちプラークの安定化と関連性の高い部分では、バソヒビン-1の発現は軽度であり、逆に、プラーク内出血や粥腫などプラークの不安定性に関与する部分の周辺では発現が高度である傾向を確認した。しかし、不安定プラークを有する症候性患者と安定プラークを有する無症候性患者を対象に、バソヒビン-1の発現様式・発現量などの特徴を利用して識別可能か否か、症例を蓄積して比較検討したが、結果的にはバソヒビン-1の発現は症候性患者と無症候性患者群で有意な差を認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

バソヒビン-1については予定通り研究が進んでいるが、バソヒビン-2については現在までのところ免疫組織学的手法を試みたが、ヒトプラークでの発現が確認できなかったため当初の計画からやや遅れている。
ヒト頚動脈プラークにおけるバソヒビン-1発現の解析により、発現量および発現様式は明らかになったが、現在までのところ、不安定プラークの診断に応用可能なバソヒビン-1発現の特徴を明らかにするまでには至っていないため、当初予定していたウサギ大動脈プラークを利用した検証には進めていない。

今後の研究の推進方策

これまでの研究より、ヒト頚動脈プラークにおいて、バソヒビン-2お発現は確認出来なかった。今後は、バソヒビン-1を中心に研究を進める。
具体的には、以下の研究を進める方針である。
①ヒト頚動脈プラーク標本の比較検討を蓄積し、プラークの不安定化におけるバソヒビン-1役割を明らかにする
②血管内皮の培養細胞を用いた、バソヒビン-1のRNAによるノックダウン実験を行い、各種血管新生因子への内皮細胞の反応を検証し、バソヒビン-1の血管内皮細胞への作用機序を明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

これまでの研究成果を踏まえ、バソヒビン-2に対する研究が一時中断しているため、当初の研究計画で予定していたバソヒビン-2研究に要する試薬等の支出が余剰となった。
バソヒビン-2に関する研究の再開に伴い、次年度に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 頚動脈動脈硬化巣におけるVasohibin-1, -2の発現と病的意義について

    • 著者名/発表者名
      吉田和道
    • 学会等名
      第8回 バソヒビン研究会
    • 発表場所
      ラフォーレ蔵王
  • [学会発表] プラーク診断に基づく頚動脈狭窄症の治療

    • 著者名/発表者名
      吉田和道
    • 学会等名
      第33回日本脳神経外科コングレス
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 招待講演
  • [学会発表] 不安定プラークの早期診断における陽性リモデリング評価の有用性

    • 著者名/発表者名
      吉田和道
    • 学会等名
      第12回日本頸部脳血管治療学会
    • 発表場所
      京王プラザホテル

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公開日: 2015-05-28  

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