研究課題/領域番号 |
24592130
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小泉 博靖 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (40423389)
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研究分担者 |
白尾 敏之 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70448281)
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キーワード | ABCA1 / cholesterol / Rho-kinase / lipid raft / cerebral vasospasm |
研究概要 |
本研究はくも膜下出血後に発症する脳血管攣縮のメカニズムを解明するため、コレステロール代謝で注目されているATP-binding cassette transporter A1 (ABCA1) を介するHDL新生反応が脳血管攣縮におけるCa2+感受性機構に及ぼす影響を検討することを目的としています。既に平成24年度はSDラットを用いたCranial windowから脳底動脈および前下小脳動脈の血管径を計測し、抗ABCA1抗体による免疫染色でABCA1の発現を解析する作業は完全とは言えないまでもほぼ確立に近い状態と言えます。平成25年度はさらにCilostazolやDoxazosinをラットに投与して脳血管攣縮の抑制効果と血管平滑筋細胞のABCA1発現量との関係を解析することを目指して実験が進行中です。本来であれば経口にて薬物投与を行う予定でありましたが投与後のラットの食欲低下から体重減少を来たし、実験に影響が認められましたため、現在の投与方法で本来の薬理作用が期待出来るか否かをin vitroの実験で確認を行っています。ヒト血管平滑筋細胞の培養細胞を用いてくも膜下出血モデル(oxyhemoglobin負荷)を作成し、血管攣縮を再現し、その際のABCA1の発現をウェスタンブロッティングで解析中です。この実験で薬理作用に問題がないことを確認し、実際にラットに経口投与を行い、脳血管攣縮への影響を観察します。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SDラットのin vivoモデルでcilostazolを投与しましたが、飼料に混ぜて投与した結果、ラットが食欲不振に陥り、体重減少が認められました。このような状況でCilostazolの薬理作用が期待出来るものか確認する必要があり、Cilostazolの血中濃度を測定するなど、確認作業に手間取っている状況です。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト血管平滑筋細胞の培養細胞を用いたプロト実験においてCilostazolの薬理作用を確認し、ラットのin vivoモデルでの投与を再開して脳血管攣縮の抑制効果を確認します。
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次年度の研究費の使用計画 |
ラットを使用したin vivo実験に先行し、ヒト血管平滑筋細胞を用いたin vitro実験の途中で研究の進行が若干遅延しているため。 in vitro実験を終了してin vivo実験を再開し、動物実験の費用として使用します。
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