研究課題/領域番号 |
24592134
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
永田 泉 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10198327)
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研究分担者 |
堀江 信貴 長崎大学, 大学病院, 助教 (70380912)
陶山 一彦 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (60236057)
林 健太郎 長崎大学, 大学病院, 講師 (40404222)
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キーワード | 頸動脈狭窄症 / プラーク / 新生血管 |
研究概要 |
頸動脈狭窄症の手術症例は本研究開始からH25.3.31時点で56症例蓄積された。ほぼ全例に渡り術前のMRI, CTアンギオグラフィーでの新生血管、プラーク内出血の評価が可能であった。また、術中での動脈内、及び静脈内投与によるICG video angiographyも可能であった。プラーク局在については最大狭窄部が大きいほどICGにて欠損部位として描出されたが石灰化による影響が強く、プラーク遠位端の予測は困難であった。明瞭な欠損を呈した1例は液状プラークを伴っていた。新生血管については主にCCA分岐部に発達しており、発達の程度は有意にMRI T1WI (p<0.01), TOF (p<0.05) と相関していた。この所見は組織学的評価でも出血を伴ったlipid rich necrotic core 、プラークshoulderの新生血管数と相関していた。また、ICG静脈内投与と動脈内投与では描出される新生血管が異なっている症例がみられた。新生血管はベルリンブルーにて血管内皮を染色した。顕微鏡評価にて新生血管を観察するとプラークの外膜vasa vasorum, ファイブラスキャップ内、ショルダー部分と、大きく分けて3つの局在が確認された。動脈内ICG投与によって描出された新生血管は内膜由来新生血管と判断されたが、MRI所見で定義されるプラーク内出血と有意な相関を見た。 プラーク局在については遠位端の予測は困難であったが、明瞭な欠損部は最大狭窄部、石灰化、液状プラークを示す可能性がある。またICGにおける新生血管の発達はプラークの脆弱性と相関する。静脈内投与、動脈内投与にて新生血管の特徴を示す可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組織学的新生血管の定量に難渋している。もともとプラーク組織は脆弱であるために、採取された組織の固定、染色にて形状の変化がみられるために面積での評価に困難を極めた。次年度はエリア以外での定量を行う必要があると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は更なる症例の蓄積を重ね、組織学的評価、中でも新生血管の定量を行い、特に外膜vasa vasorum, ファイブラスキャップ内、ショルダー部分に区別してプラーク内出血と新生血管の関連性、出血メカ二ズムにつき解明する予定である。また、可能であれば頸動脈狭窄モデルを用いた評価も行いたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
少額のあまりで次年度の物品費に充てる予定である。 次年度の物品費に充てる予定である。
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