研究課題/領域番号 |
24592136
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
甲斐 豊 熊本大学, 医学部附属病院, 教授 (30322308)
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研究分担者 |
倉津 純一 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20145296)
矢野 茂敏 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (60332871)
大森 雄樹 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (60599116)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 |
研究実績の概要 |
最重症くも膜下出血(WFNS Grade V)に対する保存的治療群と積極的治療群における治療成績について検討する。対象は、入院時WFNS Grade Vのくも膜下出血108例である。保存的治療群100例は、高浸透圧利尿剤投与とプロポフォール麻酔使用による脳保護療法を行った。積極的治療群8例は、入院時、両側瞳孔散大を認めない場合、3D-CTAで動脈瘤の部位を同定し、発症48時間以内に全身麻酔下にコイル塞栓術を施行する。引き続きマイクロカテーテルを大槽内に留置し、ウロキナーゼ6万単位を髄腔内投与する(ITSUKI therapy: IntraThecal Selective administration of UroKinase Infusion therapy)。その後、脳室ドレナージを留置し、神経内視鏡による血腫除去とウロキナーゼの投与を行った。転帰の評価は、発症3カ月後のGOSで行った。保存的治療群は、moderate disability 1例、severe disability 2例、dead 97例であった。積極的治療群は、全例コイル塞栓術が施行でき、ITSUKI therapyは1-4回(平均2.8回)施行した。全例脳室ドレナージを留置し、2例は内視鏡により血腫除去を行った。転帰は、good 2例、moderate disability 4例、severe disability 2例であった。症候性脳血管攣縮は2例に認められた。最重症くも膜下出血に対して、血管内治療と積極的な血腫溶解療法を行うことで、転帰の改善が期待できる。
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