研究課題
基盤研究(C)
脳神経外科手術前の画像情報を入手し、それを3次元的に再構築して手術に必要な位置、角度、倍率が得られるような画像処理が行えるシステムを構築した。すなわち、既存のMacintoshコンピュータに画像処理ソフトOsirixを導入し、専用のWindowsワークステーションにAvizoの後継ソフトであるAmiraを導入した。まず、MRI、CTのDICOM画像をOsirixおよびAmiraに取り込んだ。皮膚と骨、腫瘍、脳室など目標となる構造物の3次元的画像を作成した。脳室などCTなどで比較的描出されやすい構造物を目標とする場合はOsirixを用い、頭皮と腫瘍など、異なる複数の層の画像を選択的に描出する画像処理を要する場合はAmiraを用いて複雑な画像処理を行った。上記2種類の画像処理ソフトの使い分けに関して、実際に双方の画像処理時間や獲得可能な画像情報などにつきその優劣、利点・欠点を比較検討を行った。Osirixは簡便で比較的単純な画像処理に適しており、画像処理時間も短時間で可能であった。一方で、Amiraは異なる複数の構造物を高い精度で描出することができ、複雑な画像処理を行うことが可能であったが、画像処理に要する時間は2倍~4倍程度を要した。上記作業にて作成した画像をコンピューターのディスプレー上ではなく頭皮上に投影するためのプロジェクタの選定作業を行った。画像処理や出力を得意とする業者クリプトンに研究目的・内容を伝達し、プロジェクタのデモンストレーションを行った。第1号機はコンパクトで可動性には優れていたものの、頭皮に投射するには光量が不足しているのが致命的であった。これは購入には至らず、サイズを大きくしても光量を確保し、また専用の運搬架台を設置することとした。
3: やや遅れている
プロジェクタの選定作業を行い、業者に研究目的・内容を伝達し、プロジェクタのデモンストレーションを行った。第1号機はコンパクトで可動性には優れていたものの、頭皮に投射するには光量が不足しているのが致命的であった。このため、購入には至らなかった。
本研究の円滑な遂行にあたっては適切なプロジェクタを設置することが重要なポイントであることが判明したので、慎重にパーツを選定し構築を行う。このプロジェクタを用いて画像を頭皮上に投影する。位置合わせは眼球や鼻根部、外耳、後頭骨隆起などの体表のマーカーを用いる。以上の点について、必要に応じて腹部への応用を実践している神戸大学などに助言を求める。この手法を、脳手術の基本手技でありながら盲目的な手技であるためこの手法の有用性を実証するに適切な手技である脳室穿刺10例に同意を得た上で応用する。ナビゲーションを用いた場合と用いない場合とで穿刺の精度がどの程度向上するかを検証する。10例で有意差が得られない場合は20例に対して実施する。迅速かつ直接的に目標とする範囲を把握し脳神経外科手術をより安全・確実なものにすることを目指す。応用した結果を解析し、この手法の有効性について明らかにする。
研究の目的に合致したプロジェクタを選定し購入する。神戸大学をはじめ国内外の研究者に助言を求める。画像処理作業に必要な消耗品や参考図書などを購入する。研究成果を学会に発表し、論文執筆を行う。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (8件) 図書 (4件)
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