研究課題/領域番号 |
24592146
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
田村 学 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80453174)
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キーワード | 国際情報交換 / フランス / Neurospin |
研究概要 |
日本人脳データ収集については学内倫理委員会の承認後、リクルートを開始している。白質線維の描出に関しては共同研究先である東京大学に加え、東京女子医科大学において脳腫瘍患者に実施し、MedInria(DTI解析ソフトウェア)を用いてDeterministic methodに従った術前評価を開始した。6軸及び12軸で撮影されたMRI機器での解析結果の違いを比較しつつ、特に6軸撮影についてはFA値のcolor map表示を全て解析を行い術前の錐体路、言語関連線維の位置推定を予測した。なお、この手法については定位放射線治療で用いるソフトウェアを用いて機能画像を術前評価として利用する方法として斬新であり、Usefulness of Leksell GammaPlan for Preoperative Planning of Brain Tumor Resection: Delineation of the Cranial Nerves and Fusion of the Neuroimaging Data, Including Diffusion Tensor Imaging. Acta Neurochir Suppl 116:179-185, 2013として論文化された。また、この解析結果については実際の患者手術において機能の確認と解剖学的位置の確定が可能であり、前年度の臨床脳評価の完成度を更に高め、今年度中の論文発表を予定している。さらに疾患脳について、より運動野に直結した症状を反映するDystoniaについてMRI解析に向けての運用を開始した。学内での臨床チームとはMRI収集を60名を対象に行い、脳回脳溝データ解析を開始した。解析状況の確認と研究進捗は適宜Neurospinの解析チーム代表者と意見交換を行い、論文化を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MRI撮像シークエンス設定についての最適化を行い、正常脳収集をスタートさせている。正常脳の解析必要数は50名以下で行えると判断したため、確実に収集できるボランティアの獲得に努める。
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今後の研究の推進方策 |
皮質形成異常患者と共に、Dystonia疾患脳解析を進めることで、病態解明に向けての研究がすすむ可能性が見込まれるため、小児科連携と同時に国際情報交換をさらに加速させる。DTI画像を白質線維描出及び解析の重要な位置づけとして捉え、正常脳MRI解析と疾患脳解析の両方に画像活用し、脳神経外科臨床応用を実現させる。 特に臨床応用を確実なものとするため、実際の機能確認をとおしての実証をすすめることが急務と考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
臨床用MRI画像収集に時間がかかり、打ち合わせの回数が一回となったこと。また、非常に多くのデータ処理に必要なコンピュータ購入の時期が遅れたため。 研究解析に必要な解析機器の購入を前半に行い、打ち合わせを年度後半に1-2回集中させて研究を加速させる。
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