研究課題/領域番号 |
24592147
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
桂 研一郎 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (50297892)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 脳虚血モデル / バルプロ酸 / 骨髄単核球移植 / 併用療法 |
研究実績の概要 |
これまで通常血糖ラットの脳梗塞モデルは色々存在するが、糖尿病ラットの脳梗塞モデルは確立されたものが存在していない。そこで糖尿病ラット(GKラット)をもちいた再現性のある脳梗塞モデルを作成するために、一側中大脳動脈90分閉塞および、対側の内頚動脈 を0分、15分、30分、45分閉塞するモデルをそれぞれ15匹前後ずつ作成し、脳神経徴候、脳梗塞体積、動物用MRIによる脳血流の測定を おこない、どのモデルがもっとも再現性がよいかについて検討した。その結果、一側90分中大脳動脈閉塞および15分対側内頚動脈閉塞 がもっとも再現性がよく適度な脳虚血を作成できることがされることが判明した。しかしながら、購入したGKラットのシリーズが異なるごとに脳虚血巣の大きさが違ってしまい、長期にわたる、数の多い実験での検討比較が困難なことが判明した。一方、骨髄単核球移植と併用すると、より脳保護効果を増強することが推察されるバルプロ酸に着目し、まずバルプロ酸自体に脳保護効果があることを確認することができ、さらに、一過性中大脳動脈閉塞(90分)モデルを使用し、脳虚血後に時間をかえて バルプロ酸を投与し骨髄単核球移植を併用することにより脳保護効果の増強が得られることが判明した。その分子生物的メカニズムも追求し、有る程度の情報がまとまってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
GKラットを用いた脳梗塞モデルの作成にとりくんできたが、試行錯誤をおこなってもなかなかコンスタントに同程度のダメージを与えることのできるモデルの作成ができていない。このこと自体がまた糖尿病ラットの脳梗塞の病態を表している可能性があるが、それを証明することはまだできていない。さらに、27年1月に日本医科大学を退職し、国際医療福祉大学に移ったことにより研究環境が激変し、研究がおくれ、当初の終了予定の27年3月を1年間延長することになっている。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得られた、GKラットを用いた脳梗塞モデル作成の実験において、ネガティブリザルトではあるが、その問題点などを整理し、糖尿病合併脳梗塞の病態に迫れるようなメカニズムの追求を行いたい。さらに、骨髄単核球移植とバルプロ酸併用を糖尿病合併ラットに行い、その効果をみるような実験系を組みたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年末で日本医科大学を退職し、平成27年1月1日付けで国際医療福祉大学三田病院に異動となり、科学研究費の移行、新しい学校・病院のシステムになれることなどに時間がかかり、3月31日までに残り19万円あまりを使いきることができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
残り19万円あまりを使い、これまでの研究成果のまとめ、論文化、学会等での発表などに使用予定である。
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