これまで通常血糖ラットの脳梗塞モデルは色々存在するが、糖尿病ラットの脳梗塞モデルは確立されたものが存在していない。そこで糖尿病ラット(GKラット)をもちいた再現性のある脳梗塞モデルを作成するために、一側中大脳動脈90分閉塞および、対側の内頚動脈を15分、30分、45分閉塞するモデルをそれぞれ12匹ずつ作成し、脳神経徴候、脳梗塞体積、動物用MRIによる脳血流の測定をおこない、どのモデルがもっとも再現性がよいかについて検討した。その結果、一側90分中大脳動脈閉塞および15分対側内頚動脈閉塞がもっとも再現性がよく適度な脳虚血が作成されることが判明した。しかしながら購入したGKラットのシリーズがことなるごとに脳虚血巣の大きさが違ってしまい、長期にわたる、数の多い実験での検討比較が困難なことが判明した。一方、骨髄単核球移植とバルプロ酸を併用使用するとより脳保護効果の高いことが判明し、その分子生物学的なメカニズムを追求した。
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