研究課題/領域番号 |
24592148
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研究機関 | 明治国際医療大学 |
研究代表者 |
樋口 敏宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (80218700)
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研究分担者 |
梅田 雅宏 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (60223608)
田中 忠蔵 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 名誉教授 (80163541)
渡邉 康晴 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 講師 (90454537)
河合 裕子 明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 助教 (90555616)
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キーワード | 代謝 / MRS / GABA / neurogenesis |
研究概要 |
生体内の代謝物資の分布を画像化することが可能であるin vivo 1H-MRSI (spectroscopic imaging)法によって、神経前駆細胞(NPC)に特異的な代謝物質の分布画像をヒトを対象として測定するための基礎的な検討を継続した。昨年度の研究成果ではneurogenesis markerとして報告されている1.28ppmの信号にはいくつかの信号が重なっていることがわかったが、TEを短く設定したSTEAM法を用いて海馬領域に含まれる比較的T2の短い成分を検出することができた。しかしながら脳内含有量が少なく、信号強度が低いために物質の同定には至っていない。そこで、脳内濃度が1mM/kg程度の微量であるために測定が難しい抑制性神経伝達物質であるγアミノ酪酸(GABA)の脳内濃度変化の正確な解析が本則定法で可能かどうかの検討に移った。低次視覚野(V1)と高次視覚野(MT野)の異なる領域のGABA濃度を安定して測定可能であるかどうかを検討した。GABAの測定にはMEGA-PRESSを用いて1.9 ppmに周波数選択パルスを印回し、測定パラメータはTR/TE/NEX = 1,500ms/70ms/128を用いた。その結果、GABAの信号にわずかながらクレアチン(Cr)の信号が重なり混入していることが明らかとなった。そのため今年度は波形分離のパラメータおよびベースラインについてもベイズ統合を利用して適切なパラメータを算出することで、より正確なGABA の脳内濃度を測定することを目標として研究を推進する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たに導入した3TMRI装置の調整、測定法の改善、最適化も順調に行えており、研究はほぼ順調に遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
脳内濃度が微量であるために測定が難しい抑制性神経伝達物質であるγアミノ酪酸(GABA)の脳局所ごとの脳内濃度変化の正確な解析を目指して、波形分離のパラメータおよびベースラインについてベイズ統合を利用して適切なパラメータを算出してクリアチンとの信号分離法を確立する。その技術を応用して1H-MRSIによる1.28ppmの信号の分布画像の測定法を確立し、高速画像法によるneurogenesis imagingを目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
1H-MRSIをより高感度に正確に測定するために必要な測定コイルの改良や測定装置の改良、得られたデータの解析ソフトなどの調達が予定より遅れたため次年度使用金額が発生した。 早急に、測定コイルの改良や測定装置の改良、得られたデータの解析ソフトおよび解析システムの改良を行う計画である。
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