研究課題/領域番号 |
24592149
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
松本 典子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90388968)
|
研究分担者 |
木村 和美 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00388927)
宇野 昌明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90232884)
井口 保之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30287198)
井上 剛 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80388941)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 頸動脈プラーク / 虚血性脳血管障害 / 頸動脈内膜剥離術 / 不安定プラーク / 新生血管 / 病理学的所見 |
研究概要 |
本研究は、脳梗塞や一過性脳虚血発作の原因のひとつで、近年本邦でも増加している頸動脈プラークの評価におけるソナゾイド造影頸動脈超音波検査の有用性、および超音波所見と病理学的所見との関連について明らかにすることを目的として研究を行っている。特に不安定プラークの評価におけるソナゾイド造影頸動脈超音波検査の有用性について検討を行っている。 これまでの研究結果より、超音波造影剤により頸動脈プラークが造影される所見は、新生血管の増生、プラークの線維性被膜の非薄化や破綻、プラーク内出血、マクロファージの集簇など、不安定プラークと考えられる病理学的所見と関連することを、国内および国際学会および、英語論文にて報告した(国内学会:第32回脳卒中学会総会 4月、第11回日本頸部血管治療学会 6月、第31回 脳神経超音波学会、6月、国際学会:International Stroke Conference Feb/2013, 論文:Matsumoto N et al, Int J Stroke 7: E12, 2012)。また、超音波造影剤により頸動脈プラークが造影される所見は、無症候性頸動脈狭窄症例よりも、症候性頸動脈狭窄症例で多く認められ、虚血性脳血管障害発症に関連することを国際学会にて報告をした(International Stroke Conference Feb/2013)。 また、プラークの性状診断法のひとつであるBB-MRIとの関連や、脳血管造影所見との関連についても、検討中である。まだ、症例数が少ないため、今後も症例登録を行いながら検討を続けていく方針である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度は、症例を登録し、超音波検査および病理学的検討を行い、データを解析し、学会発表を行うことを目標としていた。また、可能であれば、論文作成を行うこととしていたため、いずれもおおむね順調に進展していると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究実施計画 ①同意取得後、対象症例の登録を行い、造影頸動脈超音波検査を行う。②超音波検査の画像的解析を行う。③ ②により得られた結果と症例の臨床背景、危険因子、血液学的所見、画像所見(脳血管造影、BB-MRI)所見、病理組織との関連について解析を行う。④解析結果を学会において発表する。⑤予後・転帰についても追跡調査を継続する。追跡調査は外来受診、電話あるいは文書によるアンケート調査により行う。⑥少数例であるが、結果の一部を論文化し、採択された(Matsumoto N et al,Int J Stroke 7:E12, 2012) 。今後は、解析結果を学会において発表を行うとともに、さらに、症例数を増やし、論文作成を行う。 平成26年度の研究実施計画 1)平成25年度と同様に、症例登録、検査、解析を進める。予後・転帰についても追跡調査を継続する。追跡調査は外来受診、電話あるいは文書によるアンケート調査により行う。 2)解析結果を学会において発表を行うとともに、論文作成を行う
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、超音波所見と病理学的所見を検討するため、対象症例を内頸動脈内膜剥離術の手術症例に限定して症例を登録したが、登録症例数が予想より少なく、それに伴い超音波造影剤の使用数も予想より少なかった。その結果、残額(439,610円)が生じた。平成25年度は、これまでの内頸動脈内膜剥離術症例を対象とした研究を継続しつつ、手術症例以外の症例や、ステント留置術症例も登録し、他の画像所見(脳血管造影、BB-MRI)との関連や、ステント留置術にて回収されたdebrisの病理との関連等についても検討を行う予定である。これに従い、登録症例数が増加するため、超音波造影剤の使用数が増加することが予測される。 研究に使用する超音波装置は現在当院にて使用している超音波装置を使用する。平成24年度の残額は、平成25年度請求額と合わせて、主に、今後使用数が増加すると考えられる超音波造影剤の購入に使用する。他、データの解析等に必要な消耗品、アンケート調査に必要な通信費(電話、文書送付)、統計ソフト購入に使用する。
|