研究課題/領域番号 |
24592149
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
松本 典子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90388968)
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研究分担者 |
木村 和美 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00388927)
宇野 昌明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90232884)
井口 保之 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30287198)
井上 剛 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (80388941)
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キーワード | 頸動脈プラーク / 虚血性脳血管障害 / 頸動脈内膜剥離術 / 不安定プラーク / 新生血管 / 病理学的所見 |
研究概要 |
本研究は、脳梗塞や一過性脳虚血発作の原因のひとつで、近年本邦でも増加している頸動脈プラークの評価におけるソナゾイド造影頸動脈超音波検査の有用性、および病理学的所見との関連について明らかにすることを目的として研究を行っている。本研究では、超音波造影剤を用いて頸部血管エコ-を行い、脳梗塞の原因となる動脈硬化性病変(頸動脈プラーク)の病理学的所見と、超音波所見について検討を行い、頸動脈プラークの評価、特に不安定プラークの評価におけるソナゾイド造影頸動脈超音波検査の有用性について検討を行っている。 これまでの研究結果により、超音波造影剤により頸動脈プラークが造影される所見は、新生血管の増生、プラークの線維性被膜の非薄化や破綻、プラーク内出血、マクロファージの集簇など不安定プラークと考えられる病理学的所見と関連することを、これまでに国内および国際学会にて発表し、英語論文にて報告を行ってきた(国内学会:第37回脳卒中学会総会 4月、第11回日本頸部血管治療学会 6月、第31回 脳神経超音波学会、6月、国際学会:International Stroke Conference Feb/2013, 論文:Matsumoto N et al, Int J Stroke 7: E12, 2012)。また、狭窄度が低い頸動脈狭窄性病変であっても超音波造影剤により頸動脈プラークが造影される症例で、手術を行った症例では、狭窄度が低くても不安定プラークである病理所見を呈することを報告した(第16回日本栓子検出と治療学会)。 また、プラークの性状診断法のひとつであるBB-MRIとの関連について検討したところ、主にプラーク内出血の評価に有用であるBB-MRIと造影頸動脈超音波検査では、異なる病態を見ている可能性についても報告した(第39回脳卒中学会総会)。今後も症例登録を行いながら検討を続けていく方針である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24、25年度は、症例を登録し、超音波検査および病理学的検討を行い、データを解析し、学会発表を行うことを目標としていた。また、可能であれば、論文作成を行うこととしていたため、いずれもおおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の研究実施計画 ①同意取得後、対象症例の登録を行い、造影頸動脈超音波検査を行う。②超音波検査の画像的解析を行う。③ ②により得られた結果 と症例の臨床背景、危険因子、血液学的所見、画像所見(脳血管造影、BB-MRI)所見、病理組織との関連について解析を行う。④解析 結果を学会において発表する。⑤予後・転帰についても追跡調査を継続する。追跡調査は外来受診、電話あるいは文書によるアンケー ト調査により行う。⑥少数例であるが、結果の一部を論文化し、採択された(Matsumoto N et al,Int J Stroke 7:E12, 2012) 。現在は、2012年の論文作成時よりも症例が増えており、かつ新たな知見も得られているため、解析結果を学会において発表を行うとともに、論文作成を行う。
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