研究課題
本研究の目的は、末梢神経機能温存下に腫瘍を摘出する手術デバイス(パルス ジェットメス)の開発である。応募者は既に研究分担者との産学連携体制 で組織選択性の向上により、細血管の温存が可能な手術デバイスの開発に成功した。難易度の高い拡大蝶形骨洞的到達法に適応し、 historical controlと比較し、 統計学的有意に病変摘出率増加、術中出血量減少、手術時間短縮効果を報告した。本研究では、更に難易度の高い末梢神経の機能温存下の腫瘍摘出を目的とし、組織選択性を高めるための流体工学的基礎実験を行い、組織選択性向上のため各パラメータの最適化を行った。具体的には、使用レーザー条件(エネルギー・周波数)、装置形状(ノズル先端形状・ノズル先端間距離)、吸引管併用(併用の有無とその形状)の諸条件の組み合わせにより、切開能力(組織深達度と破砕範囲)、神経温存能と、手術操作性・安全性の確保等の諸因子の両立が可能な条件を明らかにした。続けて得られた結果を動物実験で検証した。また、当初の研究計画を大幅に先んじて研究が進捗したことから、本研究期間内に倫理委員会の承認を得て 臨床応用を実施した。その結果、視神経周囲において電気生理学的モニタリング下に視神経周囲の腫瘍の剥離、破砕にパルスジェットメスを使用し、パルスジェットメスの使用による視機能悪化がなく、良好な手術成績が得られたことを報告した。本研究で得られた知見 はさらに細径の神経 でも同様の知見が得られるかについては継続して検討中である。さらに、本手術用治療器を細径内視鏡に導入することで、機器の有する利点を生かし、拡大蝶形骨骨洞的到達法をより安全、確実に行えるかに関しても検討を進めている。
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J Neurol Surg
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先端医療 脳神経外科
J Appl Phys 2014
Proc. IEEE
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Shock Waves