聴神経鞘腫の外科治療における神経機能温存率向上は依然課題である。申請者らは、聴覚並びに顔面神経機能を“見える化”する新たな術中持続神経核モニタリング(蝸牛神経背側核活動電位(AEDNAP))、と神経根モニタリング(顔面神経根誘発筋活動電位(FREMAP))の開発、臨床応用を行ってきた。 これまで170 症例以上において使用し、術前後で同一グレードの神経機能温存に有意に相関する因子は、この両者のモニタリング反応の最終温存率であり、その閾値は、聴覚反応で36.5%が、 顔面神経反応で61.5%である事を見いだした。術中に術後機能を確信して手術が遂行できるシステムが開発できた。
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