研究課題/領域番号 |
24592157
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
浅川 哲也 浜松医科大学, 医学部, 講師 (00469917)
|
研究分担者 |
杉山 憲嗣 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00235904)
|
キーワード | パーキンソン氏病 / 脳深部電気刺激 / 分子イメージング / PET / MPTP全身投与サルモデル |
研究概要 |
1.サル(F)における、11C化合物でのPET計測の結果:(1)[11C]CFT-PETの解析: 解析ソフトPmodを用い、その中のMRTM0とMRTMの二つのモデルを用い、[11C]CFT-PETの結合能(BP)を計算した。関心領域は左右被殻に設置し、参照部位は小脳とした。MRTM0とMRTMの計算結果に違いはなく、左右被殻における[11C]CFTのBPが著しく下がっている、線条体のドーパミン(DA)輸送体が低下している状態を示した。(2)[11C]MNPA-PETの解析:同様に、Pmodを用い、MRTM0とMRTMの二つのモデルを用いて、関心領域は左右被殻、参照部位は小脳に設置して、[11C]MNPAのBPを計算した。MRTM0とMRTMでの計算結果に違いはなく、左右被殻における[11C]MNPAのBPが著しく上がっている、線条体のDA D2受容体は代償的な増加が認められた。(3)[11C]-DOPAPETの解析:PmodのPXMOD ツールを用いて、 Patlak Plot との解析を行った。 解析時間は 30-105minで、サルF ではDOPAのk3 valueが健常のサルよりも著しく低下しており、線条体のDA合成 が低下している状態が示された。以上の11C化合物でのPET計測により、FのDA系が低下していることが確認され、両側投与のPDサルモデルであることが確認できた。 2.サル(F)における脳深部電気刺激手術(DBS): 先ず、MRI画像とアトラスを参考に、視床下核(STN)の座標を同定した。キシラジン1mg/kg(筋肉内投与)の麻酔下で、微小電極記録を行いつつ、電極をSTNに埋め込んだ。同時に、PET頭部固定装置(HH)を取り付ける手術も行った。次に、food reaching testを実施し、電気刺激の効果を確認した。最適刺激のパラメーターは、connector 2,4; 電流強度1.0V, 刺激頻度145Hzである。 3.サル(F)における、電気刺激中の[11C]MNPA-PETおよび[15O]-H2O-PET計測PET:計測中、想定外の不備により頭部固定装置が外れたため、PET計測を中止した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度までに実施した研究は、交付申請書に記載した研究目的および研究計画通りに、順調に進んでいる。すなわち、本年度の主な研究計画は、新規パーキンソン氏病サルモデルを確認し、DBS手術を行い、治療効果を確認し、パラメーターを決定し、PET計測に進めることであった。本年度、我々は一頭のサルモデルの作成を確認し、このモデルを用いてDBS手術をし、DBSの効果をfood reaching testで確認し、最適なDBSのパラメーターを確定した。しかしながら、サルの頭部固定装置が想定外に外れてしまったため、来年度の研究計画に多少変更が必要である可能性がある。
|
今後の研究の推進方策 |
1.確実にサルのHH固定ができるネジを開発し、再度DBSおよびHH手術を行い、DBSの効果をfood reaching testで確認し、最適なDBSのパラメーターを確定し、[11C]MNPA-PETおよび[15O]-H2O-PETの計測を進める。 2.さらにもう一頭の新規PDサルモデルを作成する。このサルも上記と同じ方法により[11C]MNPA-PETおよび[15O]-H2O-PET計測を行う予定である。 3.[11C]MNPA-PETと[15O]-H2O-PETのデータを解析し、まとめて論文作成する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
PET計測中、想定外の不備によりPET頭部固定装置が外れたため、PET計測を中止し、研究計画に多少変更が必要である。 サルの頭部固定装置が想定外に外れてしまったため、来年度の研究計画に多少変更が必要である可能性がある。 現時点、確実にサルのHH固定ができるネジを開発し、再度DBSおよびHH手術を行い、DBSの効果をfood reaching testで確認し、最適なDBSのパラメーターを確定し、[11C]MNPA-PETおよび[15O]-H2O-PETの計測を進める。
|