研究実績の概要 |
昨年度の研究結果よりMGMT発現レベルとVandetanibの反応性について何かしら相関があるのではないかと疑われた。最初にヒト膠芽腫細胞株(T98G, U87MG, A172, U138MG, LN-18)におけるMGMT蛋白発現レベルを確認するためにWestern blot法にて既存のMGMT抗体を使用して検討した。過去の文献で報告があるように、U87MGとA172の両細胞株ではWestern blot法で明らかなMGMT蛋白の発現を認めなかった。一方残りの細胞株(T98G, U138MG, LN-18)では、多少発現に差が見られたがMGMT蛋白の発現を認めた。昨年度の研究結果より、MGMT発現株であるT98G, U138MG, LN-18においては、MTT assay, Cell Migration assayやCell Invasion & Detection Assayにて有意な抑制が得られなかった。MGMTとVandetanib抑制効果との関連性を調べるために、これら細胞株にMGMT siRNAをtransfectさせた。MGMT siRNAをtransfectさせると、すべての細胞株においてVandetanibによる反応性の改善がみられたが、有意とは言えなかった。次に、Vandetanibの効果とVEGF蛋白発現の差による影響を検討するために、これらヒト膠芽腫細胞株のVEGF,VEGFR-1,VEGFR-2の発現の差をWestern blot法で検討した。すべての細胞株においてこられVEGFに関連した蛋白発現の差はみられず、VEGF発現の影響は考えにくいと思われた。
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